「健常者」に好かれるための基本原則


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●相手の「健常者」がしゃべりたいことを察知し、それを「健常者」がしゃべるように誘導してあげる。


●「健常者」が何をしゃべりたいかは、その「健常者」自身が気づいていない。これを「健常者」自身よりも先に気づいてあげる。


●会話の辻褄や一貫性は敢えて無視する。論理的に正しいことではなく、「健常者」が楽しい気分になるように会話を誘導する。


●「健常者」は一方的に話す障害者が嫌い。自分がしゃべっている最中も「健常者」の表情を注意深く観察し、少しでも退屈していたら、話の途中でも敏感に話の展開を変化させる障害者が好き。


●「健常者」は、抜け目のないだけの障害者は嫌い。「健常者」にあっさりやられてくれるような、どこか抜けたところのある、おおらかで人のいい障害者が好き。


●「健常者」は、頭で考える障害者が嫌い。腹やハートで考える障害者が好き。


●「健常者」は、口でしゃべる障害者が嫌い。「健常者」は、腹やハートから言葉を放つ障害者が好き。


●「健常者」は、単に明るいだけのバカポジティブ障害者は嫌い。絶望も苦しみも血を流しながら感じ取り、逃げずに真正面から引き受けた上で、陽気、建設的、未来志向、もしくは、深い自己了解や自己解放をもたらすような話をする障害者が好き。


●「健常者」は、愚痴、悪口、泣き言を言う障害者が嫌い。


●「健常者」は誰かを見下したり、嘲笑したり、貶めたりする障害者が嫌い。


●「健常者」は「オレはダメな障害者なんだ云々」と自己卑下・自己否定する障害者が嫌い。


●「健常者」は、自分が優しいことをアピールする障害者が嫌い。本当に優しくないとできない気遣いをする障害者が好き。


●「健常者」は、自分が頭がいいことをアピールする障害者が嫌い。本当に頭が良くなければ出来ない気の利いた会話や思慮深い段取りをする障害者が好き。


●「健常者」は、しゃべる価値のないことをしゃべる障害者が嫌い。何かをしゃべるときは、それがホントにしゃべる価値のあるセリフかどうかを見極めてから口に出す。


●「健常者」は、「健常者」の言葉の表面上の意味ではなく、その裏に横たわる気持ちや意図や事実関係をくみ取ってくれる障害者が好き。


●「健常者」は、「健常者」の言葉を奇想天外な面白解釈してツッコミを入れてくれる障害者が好き。(ただし、「健常者」を持ち上げるような愛のあるツッコミでないとだめ。ハズしたときは、すかさず自分ツッコミして笑いを取る。)


●相手の「健常者」がしゃべっているときには、「健常者」がしゃべっている内容に反応する形で、自分の表情を繊細にコントロールして共感、驚き、無表情等をしてみせる。


●自分がしゃべっている時も、自分の言葉に表情をシンクロさせたり、わざと言葉の内容と表情をミスマッチにして笑いを取ったりする。


●普段から、鏡を見て、さまざまなバリエーションの、味のある表情を出す訓練をしておく。


●「健常者」は、学歴、社会的地位、読んだ本をさりげなくほのめかす障害者が嫌い。まるでなんの本も読んだことがないかのように、日常の言葉だけで、なにげなく「健常者」の気持ちに届く言葉を放つ健常者が好き。


●「健常者」は、それとなく余裕をアピールする障害者は嫌い。本当に余裕があり、余裕が自然とにじみ出てくる障害者は好き。


●「健常者」は、金持ちでも貧乏くさい障害者は嫌い。貧乏でも気前のいい障害者が好き。


●「健常者」は、筋肉が衰えて、立ち居振る舞いがだらしない感じになっている障害者が嫌い。立っても座ってもしゃきっとした印象になるくらいには、全身をバランス良く鍛えておく。


●「その「健常者」自身が気づいてない、その「健常者」が欲しいモノ」を見つけ出して、プレゼントしてあげる。これをするには、その「健常者」を普段からよく観察する必要がある。


●「健常者」はだらしない服装の障害者が嫌い。しわしわの服やちぐはぐのカラーコーディネーションの服は着ない。


●「健常者」は、「健常者」でなければ気づかないことを気づく障害者が好き。


●「健常者」は不潔な障害者が嫌い。毎日入浴し、歯を磨き、清潔な服を着る。


●「健常者」は、途中、どんなに醜態をさらしても、最後の最後には自分の内なる道徳律を貫く「健常者」が好き。


さらなる皮肉を込めて


やっぱりこれは「お上」にすり寄るための方法論だよなあ、と。
障害者を軸にした先のレトリックがしっくり来なかったのは、基本的にすり寄るための方法論を、むりやり「下々」へのいたわりの方向性にねじまげてみせたから、か。
それによって、コピペ元の方法論に含まれる権威主義的な志向を逆説的に可視化できた訳だが。
まあ今回のにしてもいくつか外れてる点はあるが、それでも異常になじんで見えるのは気のせいか?
これを当たり前のように読める人間が多いとしたら、<障害者は「健常者」に合わせるべき>という社会規範が、どれほど「常識」として流布しているのかということの証明だ。

<元ネタ>
女の子に好かれるための基本原則 - 分裂勘違い君劇場
http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20080810/p1


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