テロリストの背景


無差別殺傷、孤立が背景…友なし・交友希薄6割 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130928-OYT1T00192.htm

 無差別殺傷事件を起こして2000〜09年度に有罪が確定した元被告ら52人のうち、約6割が社会的に孤立し、4割以上は自殺未遂を経験していたことが法務省の初の研究報告で明らかになった。

 報告では「元被告らは社会的弱者の一面が強い」と指摘し、孤立を防ぐことが再発防止につながると強調している。

 「学生時代に受けたいじめを思い出し、いら立ちを晴らそうとした」「自分だけが不幸だと感じ、幸せそうな人を狙った」

 報告書で示された犯行動機からは、社会への強い不満と絶望感がうかがえる。

 調査は近年、無差別殺傷事件が相次ぎ、治安に不安を感じる人が増えていることから実施された。裁判記録や刑務所の処遇記録などを基に、受刑者の犯行前の生活状況などを調査・分析した研究は初めてだ。

 対象は10年3月までの10年間に有罪が確定した犯行時10〜60歳代の52人(死刑確定6人)。大阪教育大付属池田小で01年に起きた児童ら23人の殺傷事件のほか、1999年に山口県のJR下関駅で15人が殺傷された事件や、08年に茨城県土浦市で9人が殺傷された事件の元被告らも含まれる。

 犯行動機(複数回答)を類型化すると、「自分の境遇への不満」が22人(42%)で最も多く、「特定の人への恨み」10人(19%)、「刑務所への逃避」9人(17%)と続いた。

 こうした動機を抱く背景として、社会から孤立した暮らしぶりが浮かび上がる。犯行時に学校や職場などに友人がいなかったと答えたのは28人(54%)で、交友関係が希薄だった者も含めると33人(63%)に上った。無職だったのは42人(81%)、収入がなかったのも31人(60%)いた。

(2013年9月28日08時27分 読売新聞)