1、フェミニズムへの屈折したバックラッシュ

先にもいいましたが、屈折したという点は、まず第一に「女性」よってなされるフェミニズムへのバックラッシュであるという点。そして、自身の生活を男性に依存して、生活を確保しながらも「らしさ」という保守的志向に興じるという点。あるいは、「女は自分らしく」を保持する一方で「男は男らしく」を要求する、といった点でした。
言い換えれば、「生活保守的志向から諧謔的なスタンスで振舞われる保守的志向への礼賛」といえるでしょうか。わかりやすくいえば、あくまでその「らしさ」への志向が、自身の生活実態とは切り離したところにある「遊び」であるというフリをすることで、フェミニズムへのバックラッシュであることを隠している、ということです。
これは、あきらかに自己中心的な自己保存の欲求に基づいたものだといえます。あるいは、先行き不透明な社会状況下における受動的快楽への志向の高まりといえるでしょうか。
この厳しい社会状況、経済状況下で、守ってもらって生活できるなら、これほど楽なことはありません。*1
はたまた、「バカだからわかんない。」「バカだから出来ない、がんばれない。」というような専業主婦/主夫願望だということもできるでしょうか。これは、専業主婦/主夫が、バカだといっているのではありません。「バカだ」と自己否定すること(してみせること)によって、自らが他人に依存することを容易に肯定することを可能たらしめる心性を形成するといった意味です。
もちろん、このような指摘にあてはまらない人もいるかもしれません。

*1:一抹の自戒を込めて