明日のために〜その三:「再セットアップ用CD−ROM」を作成する。

最近のパソコンでは、「プリインストールモデル」と称して、Windows XPなどのOSや、その他のアプリケーションソフトの「再セットアップ用データ」が、HDD内の一区画に保存されています。以前であれば、最初から「再セットアップ用CD−ROM」が添付されていたのですが、おそらく、コスト削減(=マイクロソフト社、および各メーカーの利益)のみを考えた結果、HDD内データとする方策がとられたものと思われます。しかし、これによるユーザーの不利益は、非常に大きいものとなっています。
 まず、HDD内の一区画を「再セットアップ用データ」が占拠しているため、カタログに表示されたHDDスペック(容量)が利用できないようになっています。たとえば、カタログスペックで表示される容量が40Gのモデルであれば、その内、約10Gが「再セットアップ用データ」として、すでに使用済となっており、実際にユーザーが利用できるのは、残りの、約30G程度となっています。
 さらに大きい問題点は、この「再セットアップ用データ」が、HDD内にあるために、いざトラブルが起きた時に、エラーメッセージで真っ先に要求される「Windows再セットアップCD−ROM」が、そもそも「存在しない」ということです。いくら箱をひっくり返しても出てきません。これまた、ご親切なマイクロソフト社に言わせれば、「取扱説明書に書かれたとおりに、あらかじめ作成していただく必要があります」ということになっています。そしてもちろん、いざこのCD−ROMが必要となるトラブルが起こった後では、この「再セットアップ用CD−ROM」を作成することはできません。
注意点は、この「再セットアップ用CD−ROM」の場合、ほかのパソコンを使用して作成することができないということです。「再セットアップ用CD−ROM」は、各パソコンに固有のものとなっています。
 そこで、購入したらすぐにでもこの「再セットアップ用CD−ROM」を作成する必要があります。私のパソコン(Windows XP)を例にみれば、スタート>すべてのプログラム>アプリケーション の中に、「再セットアップ用CD−ROM作成」のプログラムがあります。また、取扱説明書にも記載されています。この作成の際には、空の「CD−R」が6〜8枚必要になります。ディスクの容量は、おそらく650MBのもので十分かとは思いますが、念のため700MBのものを使われたほうがいいかもしれません。
 何かのトラブルが発生したときには、起動ディスクでパソコンを起動させた後、この「再セットアップ用CD−ROM」を使用することによって、SYSTEM破壊が起きたWindowsを、大切なデータを保存したまま、修復することが可能になります。
 そして、以下のことは、確実な方法ではありませんが、緊急の解決方法として追記しておきます。何かトラブルが発生し、この「Windows再セットアップCD−ROM」要求されたときに、もし、そのパソコンで使用しているWindowsの形式と同じWindowsのCD−ROMをもっていれば、それで代用することができる「かもしれません」。これは聞いた話ですが、SYSTEM破壊によって起動しなくなった日本語版のWindows XPのトラブルを、フランス語版のWindows XPのCD−ROMを使用することで回復することができたとの話があります。
もし、「再セットアップCD−ROM」がない場合に、同じバージョンのOSを単品で所有している友人がいれば、そのOSのCD−ROMを借りて、代用して復旧することができるかもしれません。念のため、その後は、ただちにデータのバックアップを取った後、再インストールすることをお勧めします。