アテネ!アテネ!アテネ!

水と炎と、美術と人と、歴史と未来と、世界と世界。紡ぎ開いた世にまれな、幽玄壮麗な開会式典。
なんと美しく、華麗で、荘厳で、神秘的で、洗練され、洒落た、そして、感動的なセレモニーだったろうか。*1
まさに一大イベントの名にふさわしい、そして、ただ一度限り上演される、劇的な「舞台」。現代美術、現代舞台の粋を極めた、3時間超もの、夢の時間。
人が美術と一体化し、歴史を語るパフォーマンス。
紀元前世界の人々のデザインの、なんと美しいことか――
今秋のヴェネチエア・ビエンナーレでは、二次元表象の立体化、三次元化を目玉とした「オタク」が日本館のテーマとなるようだが、完全に先を越され、そしてすでに勝敗は決してしまったかのような感すら抱く。*2
ただ惜しむらくは、これが、勝利こそがすべて、勝利こそが絶対の、「スポーツ」の祭典であることか――――

*1:前回のオーストラリア、シドニー大会の開会式の馬鹿馬鹿しいまでの滑稽さ、奇妙さ、適当さなど、比べるに値しない。比べること自体が失礼だ。

*2:カタログが欲しいのは決して大嶋フィギュアにつられているわけではありませんよ念のため。