悲しいけど今、戦争中なのよね!

都国籍条項訴訟:「哀れな国」痛烈に批判 原告の鄭さん
ぶっちゃけた話、この問題をクリアしようと思ったら、「憲法改正」をしないと無理だと思う。
そのポイントはというと、「法の下の平等」が、「国民」にのみ与えられているという点だ。
そして、その憲法改正の問題は、日本人=日本国籍保持者でないと関われない。

また、「帰化」という踏み絵の敷居を高くしているのは、日本の民族主義ナショナリズムなのか、在日の民族主義ナショナリズムなのかという問題も、よくよく精査しなければならないところだろう。

これに対する記事には、まあ相変わらずのこんな論調がすぐに出てもくるわけですが、(バランスを考えてコメント欄の議論まで読もう)

「国のシステムを良くしてみんなを幸せにしよう」という考え方ではなく「自分の権利を認めさせよう」ということしか考えていない

のではなく、
どこか「民族」の権利を持ち出しているところに問題があったのだと思う。
その意味で、

在日だから反感を買っているなんて、本質を外したこと

というような「在日だから」という観点は、「本質を外したこと」ではなく、やはり問題を貫く本質なのだ。
そして、その問題がどこにあるかといえば、
自らの民族性、民族主義ナショナリズムを「正義」と断じる一方で、日本の民族性、民族主義ナショナリズムを「悪」とする思考の枠組みであろう。
それが、「ダブルスタンダード」でしかない、とみなされる時代になった、ということなのだ。
その意味で、今朝の朝日新聞の社説は「時代が読めてない」。
さらに言えば、今、日本と北朝鮮が、「休戦状態」にあるということをも、どこか読み飛ばしている。
もう、地震が先か、テポドンが先か、というくらいの状況だ。
そしていざそうなったら、この国で何が起こるのか。
政府予測でも、新聞解説でも意図的に「書かれていない」事態が必ず起こる。
「総連」「民団」等の施設に対する公安捜査員の一斉突撃。そして、「在日韓国朝鮮人への予防検束」だ。
どこの誰が工作員かわからない状況下においては、こういった「疑わしきは拘束」という手続きが必ず起きるだろう。
「北」系だけの問題だとする向きには、そもそも在日の国籍が、半島の南北分裂後に、恣意に基づいた「選択」によって獲得された=固定化されたものだという点をあげれば、その区別がいかに大して意味のないものであるかわかるだろう。
そういった状況下、戦争の相手国の国籍をもったままで内政に近づく事は、まず難しいし、やはりそれは排されることになるのだろう。


大体、「戦争」という枠をそれて、移民という点だけで見ても、
これがアメリカ対メキシコ移民、ドイツ対トルコ移民であっても、司法の判断は同じことになるのではないだろうか。
外国籍の人間による内政への干渉を拝するという志向においては。


さらに乱暴なことを言ってしまえば、
「先祖や親兄弟、故国に寄せる思い」とは、それを制度化し固着化しなければ維持できないものなのだろうか?


「血はどうすることもできない」


洋の東西を問わず、内外を問わず、よく聞かれる言葉だ。(私はこの言葉が大嫌いだ。)


であればこそ、なぜそれを、その「心情」を、「制度」へと化することに固執するのだろうか。




もちろん、血縁主義、血族主義にこだわる日本の国籍法制にも、大いに問題があるのだということは、反「民族主義」的な日本人は肝に銘じることが必要なのだと思う。
「ちっぽけな存在が」とは言わないで。