第35回NHK上方漫才大賞

最優秀賞:レギュラー
優秀賞 :千鳥、つばさ・きよし

講評にもあったが、「あるある探検隊」を封印してのコント漫才で、すでにお茶の間にも知れ渡ったキャラクター性を生かした安定した力を発揮し、NHKという「やや距離のある客層」に対してもしっかりと笑いを取ったレギュラーの実力が光った堂々たる受賞だった。

その他、今回の受賞者から透けて見える賞レースでの勝敗の特徴としては、
「ネタの新鮮度」というものがあげられる。
繰り返しになるが、レギュラーの受賞の決定打となった要因は、やはり「あるある探検隊」をはずしたことだろう。すでにギャグとして定着したネタをはずしてもなおしっかりと客席との距離を詰め、笑いを取れたという点が大きかったことはいうまでもない。
千鳥にしても、田舎ネタでのつかみからA面的な安定した(オーソドックスなタイプの?)ネタをうまく展開し、もう一方のウリであるB面のエロネタをやらなかったのはよかったと思う。ま、NHKだからな…
一言で言うと、これまでその使い方が散発的に見えた田舎ネタを、しっかり構成して一つのまとまりを作ってきたことが優秀賞という評価につながった、ということだ。ともすれば、「田舎」のステレオタイプとノスタルジーを喚起させる定型化した「オリエンタリズム的な笑い」に陥りかねない、と言えなくもないが、その鮮度をいかに保つかは……エロネタの「消化」にかかっているのかもしれない。
つばさ・きよしは、始めてみた顔だったが、正統派しゃべくり漫才のうまさが光った。が、意地悪く言えば、初顔でなければ受賞はなかったのではないだろうか?とも感じた。とはいえ、初めての賞レースでこうして名前と顔を売れたというのは十分に成功したといえるだろう。(うわ何をえらそうなことを)


さて、問題はその逆を張ってしまった面々である。
失敗した典型が、南海キャンディーズだろう。昨年末のM1での全国デビューからまだ半年にもならないうちに、掴みから小ネタから「どこかでみた」ネタをちりばめるというのは、果たしてうまいやり方だろうか。(いや、そうとは言えない)
「期待通りではあるが、それ以上ではない」という、最初から天井の見えてしまっていたネタではなかったか。
そのさらに上を行く失敗例が、何だったかは忘れたが、先の賞レースと「まったく同じネタ」をやってしまった、なすなかにしである。同じ賞レースに出ていた、イシバシハザマがまったく違うネタを持ってきていたことでその「失敗」が余計に目立ってしまっていた。
得意なネタ・安定した評価を受けるネタなのだろうが、若手と評される内からそうまで保守的な戦法をとってしまっては、賞レースでは「最後の詰め」を欠くことになるだろう。実際、どちらの賞においても、彼らは受賞できていないわけだし。
「しゃべくり」は難しいのだろうなとは思うが、いとしこいしなき後を継ぐのがリアルキッズというのではちょっとその成熟を待ちきれないお年よりも多いかと思うので、次のネタの磨きに期待したい。


そのほか
NON STYLEは……
絵に描いたような若手コント漫才。(うわーすげーいいかた)
でもうまかったですよ?(フォロー)
天津は……
頼むから茶の間で身の置き所に困るネタをゴールデンタイムのNHKで堂々と展開するのはやめていただきたい…orz<カンベンシテクダサイ
何その舞台衣装!?萌えジャージ?萌えジャージなの???*1
しかも、猫耳メイド脳内妄想ネタって…………
「一皮むけたい」だって!?
むしろ、ぶ厚い体育マットをかぶせてテレビ東京に着払いで送り返したい。ぜひそうさせていただきたい。
僕にはその権利があるにょ。


さて、さらに一言追加するならばNHK!!
対お茶の間用全年齢層向けお手軽お抱え芸人テツandトモを重用したい気持ちはわかるが、だらだら5分以上も割くぐらいなら、笑い飯に2分でも3分でも割いてネタをやらせろというのだ!!
ものすげー、期待はずれだよ>ネタやらせないならゲスト表記するなっての。

*1:つーか売り切れてるし。