空気嫁

「今が楽しければ」将来に希望抱く高校生は24%
一言でいうと「空気」の問題。二言目にいうとしても「空気」の問題。
高校生というと、16〜18歳。
つまり、生まれたのは1987年から1989年。
物心ついたときにはすでにバブルが崩壊し(いうまでもないが1991年)、それ以後、毎年毎年、景気は、世相は悪化の一途をたどってきたのだ。
1995年には阪神淡路大震災オウム真理教地下鉄サリン事件という二大重大事件が発生する。
そして、景気が持ち直すかと思われた1997年には、闇献金の一億円を内ポケットに入れた橋本龍太郎内閣により日本経済にトドメが刺される。
消費税の5%への増税である。
この時期の景気曲線は今見てもケッサクである。
この件だけをとっても、自民党は、橋本龍太郎腹を切って死ぬべきである
2000年にもITバブルと呼ばれる回復期があったが、その中で聞いた政治家の言葉はおよそITの何たるかをまったく理解していないものであった。
「ITにすればすべて雇用も景気もうまくいくんですよ!!」
ボケかけた老人共が本気でそんなことを言っていた。
ちなみに、このときの総理大臣は、戦後最低の8%という支持率により国民から拒否を突きつけられながらあつかましくも居座り続けた石川の空頭のデクノ坊、森喜朗(しんきろう)である。確か、ITを「イット」と読んでいた。
結果、一瞬にしてバブルは再び吹っ飛んだ。
そして、あくる21世紀。
全盛期の旧弊を忘れ未来にまい進しようとしたその年も暮れないうちに、911テロが発生した。
「対テロ」という中身の定かでないキャッチコピーが世界を覆った。
アメリカは嬉々として専売特許の公共事業、「戦争」をはじめた。
2001年10月7日、アフガン戦争開始。
2003年3月20日イラク戦争開始。
そして、2005年現在。
テロの首謀者とされたビンラディン、オマル、ザルカウィは、戦争開始から既に3年が過ぎているにもかかわらず、一向に捕まる気配すらない。
そして何よりここで、大きな前例となったのは、もはや戦争に明確な大義名分がいらなくなったということだ。
大量破壊兵器」はその捜索にあたりアメリカ兵1500人、イラク民間人最低10万人という、大きな犠牲を出しながら、結果は「そもそも存在しない」というものであった。
これでアメリカがいつでも好きなときに戦争を仕掛けられるという押しも押されもせぬ前例が出来上がったのだ。
さて、一方その間の2002年、最後の「地上の楽園」が陥落した。
北朝鮮が、日本人の拉致を認めたのだ。
もはや虚構であったとしても理念としての、いや信仰としての社会主義もこれで潰えた。


ああそうそう、98年以降の6年間で20万人近くが自殺している。年三万人以上のペースである。
<<グラフ>>


それらの様を見て、今の日本人は生きてきたのである
それらの様を見て、高校生は育ってきたのである。


それらのいったいどこを見れば未来に希望を抱けるというのだろう。
その見てきた出来事をどう見れば将来が輝くのだろう。


一ついえるとすれば、それは、「身も心もアメリカになりきること」だ。
そう、ホリエモンのように。
自由主義の申し子として、バブルの鬼子として、冷徹な市場の論理だけで生きようとすることだ。
「愛だって金で買える」
その台詞に間違いはない。



PS
アメリカと中国が比較として出されているが、一方は何をやってもお構いなしの覇権主義の帝国。「夢」をエサに移民を引き寄せ、イラクで戦争すれば国籍をやろうかという素敵なお国
一方もまた、一党独裁の軍事国家で、農村の労働力を使い捨てる発展途上国
まっとうに比較できると考えるほうがどうかしている。
ちなみに、戦敗国のご同輩、「理想国家」ドイツはというと、失業者が500万人を突破、失業率は12%
日本(4%〜5%)の倍以上ってことですね。