何かヘンだよ!反人権擁護法案ムーブメント

とりあえず、今気づいたポイントだけ。
反対派の論調はこうである。

人権擁護法案反対にご協力をお願い致します
 この法案は差別等の人権侵害を禁止するものですが、「差別」を厳密に定義しておらず、また差別の「助長、誘発」をも禁止しています。 これらの「人権侵害」があると疑われた場合、法務省の外局に置かれる「人権委員会」が調査を始めます。人権委員会は関係者に出頭を求めたり、証拠品の提出を求めたり、立ち入り検査を行ったりする事が出来ます。 これらは令状請求の必要がなく、人権委員会の独断で行う事が出来ますが、協力する事を拒否した場合には処罰されます。 そして人権委員会に人権侵害と認定されると、当該行為をやめるよう「勧告」され、従わない場合には氏名等の個人情報を含む勧告内容が「公表」されてしまうのです。
 このような法案は、言論を萎縮させる危険が極めて大きいと言わざるを得ません。また、「差別からの解放」を声高に叫ぶ一部の人達が「調停又は仲裁の申請」を乱発し、そのせいで人々が「被差別者」全体に反感を持ち、 かえって問題が悪化する事も考えられます。言論の自由を守り、差別問題の悪化を阻止するために、人権擁護法案反対にご協力をお願い致します。
人権擁護法案BLOG(臨時)

そして、一番反感を抱いているポイントはこの点だと思われる。

氏名等の個人情報を含む勧告内容が「公表」されてしまう

つまり、「個人情報の漏洩」と同じような感覚からくる恐怖感、嫌悪感を抱いているということか。
「何かヘンだよ!」という疑問というのは、上記の論調に賛同して反対している人たちというのは、
はてしてアノ「住民基本台帳カード」や「国民総背番号制」には反対していたのだろうか?
ということである。
「公的機関によるブラックボックス的な個人情報の収集」という点においてはそれらの三つはどれも同じいように見えるのだが。
住基カード」や「背番号」への賛成論には、「お国のためならプライバシーも喜んでささげるのが国民の義務!」みたいなノリを感じていたのだが、
ことこの「人権擁護法案」に関しては、同じく「お国の機関がプライバシーを要求されている」にもかかわらず、「誰が渡すものか!!」といきり立っているように見える。


また、人権委員会を法務局から独立して立てることに付いて、非常な反対論も見られる。

以下の2点を修正して早急に人権擁護法案を成立させるべきだと朝日新聞は今日の社説で宣言した、
  1)「報道機関の取材活動を人権委員会が調査するメディア規制条項を削除する」
  2)「人権委員会を同じ法務省の外局に置くべきではない」
これがどういう事かといえば「自分達の活動だけは規制から除外しろ!」「人権委員会法務省の手の届かないところに置いて、独立した特権組織にしろ!」ってこと。
 前者が朝日新聞自身の既得権益を守る為の主張、後者がシンパである部落開放同盟や朝鮮総連が人権委員になった暁には法務省から独立して思う存分「差別利権」を振りかざして活動できるよう援護射撃してるわけだ。
朝日新聞が社説で人権擁護法案と総連・解同を援護射撃

これは、「人権委員会法務省所属の下部組織にしろ」ということだと思うのだが、
その下の、「[追記]2ちゃんねるで一番オレの考えに近いコメントを発見した〜」にある、「国連のパリ原則」では、以下のようになっている。

1)上位機関(主に行政機関と解釈できる)から独立して差別問題を調査できる
2)政府、議会等に、意見や勧告、提案、報告を行う
3)差別の実態を公表する

その1)が、いきなり先の「朝日新聞は『人権委員会法務省の手の届かないところに置いて、独立した特権組織にしろ!』と言っているが冗談じゃない!」という反対決意表明と、真っ向食い違っている。
むしろ、朝日の社説にいう、

入国管理局や刑務所の人権侵害がある以上、人権委員会を同じ法務省の外局に置くべきではない。

との主張のほうが、「パリ原則」に近いのではないのか。
うん?
整理しよう。

朝日新聞は、「人権委員会は行政からの独立性を持つべきだとする」。
反対派は、「人権委員会はあくまで法務省の一部として管理下にあるべきとする」。
パリ原則では、「(人権委員会に類する組織は)行政機関から独立しているべきとする」。
2ちゃんねるで一番オレの考えに近いコメント」では、「パリ原則重視とする」。

何かがどこかでブレている。
行っておくがこの文章は「矛盾を付いて論破する」という意図ではまったくない。
何か論点がズレていると感じ、そのズレをどうにかして「生かそう」と言う意図でもって書いている。
だから、この文章を読んで「だから反対派はアホだよねw」という感想を抱いた人がもしいたとしても、そんなコメントは書き込まないでもらいたい。
むしろ、「反対派の賛成派(ヘンな表現だな)」から、詳しい論点の所在を指摘してもらえるほうが有益だ。


んん?問題は「外局」の位置づけとその理解にあるような気がしてきたがどうだろうか。


さらにいえば、これは私の不勉強を示すだけなのだが、

協力する事を拒否した場合には処罰されます。

この「処罰」という言葉のさす内容がよくわからない。
いったいどのような形でのどのような質のそしてどの程度の量の罰金刑?なり自由刑?が課されるのだろうか。それとも、「人権委員会ニュースのようなものにブラックリスト登録者として晒し上げられる」といったようなものなのだろうか。
(あとでちょっと調べて見ます)


上記の件わかりました。「罰金刑」のようです。

第七章 罰則
第八十七条 第十三条第一項の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第八十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の過料に処する。
 一 正当な理由なく、第四十四条第一項第一号(第七十条又は第七十六条において準用する場合を含む。)の規定による処分に違反して出頭せず、又は陳述をしなかった者
 二 正当な理由なく、第四十四条第一項第二号(第七十条又は第七十六条において準用する場合を含む。)の規定による処分に違反して文書その他の物件を提出しなかった者
 三 正当な理由なく、第四十四条第一項第三号(第七十条又は第七十六条において準用する場合を含む。)の規定による処分に違反して立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
 四 正当な理由なく、第五十一条(第七十一条第二項又は第七十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による出頭の求めに応じなかった者
第一五四回 閣第五六号「人権擁護法案」


ちなみに、例の朝日新聞の社説がとかく晒し上げられているようですが、
私は新聞の社説というものを、新聞の中核を担う記者の総意だとは考えていません。
社説がこうだから、新聞社員全員がこうだ、とは思えません。
つまるところ、変わっていく可能性は常にあるという期待を抱くものであります。
オタク記事が読売新聞に頻繁に掲載されるようになったように・・・・・・