ハリーポッター話についてのお返事

[鍋]鍋あり谷あり - 混血と謎の謎
私の書いた

だが、鍵を握る事物や人物に対して、そう言い換えていいのだとしたら、これまでのタイトルがすべて「謎の石」「謎の部屋」「謎の囚人」「謎のゴブレット」「謎の騎士団」となっていてもいいのではないか。

という部分にご指摘をいただいたわけですが、この辺りはまあ、


ぶっちゃけ言いがかりです。(すみません


いくらなんでも「賢者の石」はオーソドックスなレアアイテムだし、「秘密の部屋」ってのも確かに隠されてた=秘密にされてたわけですし、「アズカバンの囚人」にいたっては固有名詞だし、「不死鳥の騎士団」にしてもそうでしょう。
いやぁレトリックって本当にいいもんですね!(水野春郎風)


それはさておき、次の部分が重要なところです。

読んだ人ならわかると思うが、プリンスはちっとも「聖なる」などと呼ばれるべき存在ではなかった。

ということならなおさら、今回のタイトルというのは、やはりミスリードの効果も含めてつけられていたと思われます。
該当記事のコメントで指摘を受けたように、ハリーもまた「Half Blood」であることを一種のキャラクターアイデンティティにしていることは、読者も重々承知しているところから、このタイトルは王子とハリーの関係性について少なからず読者に予断を与えようという効果を狙ってつけられていたはずです。


であればこそ、この日本語への翻訳における「不必要な改変」には、よけいに奇妙な印象を受けたのです。


原作者の意図をむしろ殺ぐような意図的な誤訳がなぜそこに介入したのかというのが、この本の大きな問題です。
その問題に対して、血族信仰を社会の背後に隠し持つ日本ならではの「ポリティカル・コレクトネス」が顔をもたげたのかと思ったわけです。


というわけで、

#私自身は、原題が Half Blood なんだから「混血のプリンス」の方がいいと思っている。

という部分にはまったく同感です。