風邪の功罪


身体機能の低下により、言葉があふれ出すということはままならぬ状態にあり、それがために体の内を未消化な言葉が駆け巡り、あぶくのように膨れ上がるということはなくなったその一方で、すでにあふれ出した言葉の数々を整理しようにも弛緩しきった身体機能を前にしてはいかんともすることができず、ただただありうべき言葉のカケラの傍らを通り過ぎては自らの体の不調を呪う。