いきいきインタビュー「みんな大好き殺人事件」


それにしても、この事件には人混みに向かっての事件だけに、目撃者が多くいる。
一部ではあるが、その中の誰かが、実にうれしそうにインタビューで答えいる。
別にこの事件に限らず、大きな事件がおきると、実にうれしそうに、犯人の「本当の姿」をとうとう話す人間がいる。
中にはとっくに卒業した学校の前にまでわざわざしゃしゃり出て、「友人」の過去を暴き出すような人間もいる。


まるで自ら語ることが「犯人が自分とはまったく異なる異常な人間」であることを証明するかのように。


自分が殺されるという感覚などカケラも持っていないかに見えるその態度が、あるいは、自分が殺すことになるかもしれないという感覚などカケラも持たないその態度が、「どこの誰でもない犯人」を生み出す土壌になっているのではないのか。