自殺を肯定する論理


サバルタンは語ることができない』p87-88より
『ダルマ・シャーストラ』(社会秩序を保つための法規範)で認可された自殺の第一のカテゴリー「真理の認識」

真理を認識する主体は、みずからの自己同一性が実質のないものであること、あるいはたんに現象的なものでしかないことを了解する。ある時点にいたって、タト・トヴァ(tat tva)が「汝はそれなり」と解釈されたことがある。しかし、そのように解釈されるまでもなく、タットヴァ(tattva)はもともと<それであること>なのである。かくて、この蒙を啓かれた自己は、みずからの自己同一性が「それ」であることにあることを真に知る。その自己が当の自己同一性を破壊するのは、アートマガータ(atmaghata)、すなわち「自己を殺すこと」には当たらない。