「人間性」という「大きな物語」――東浩紀は今すぐ「予告.in」の危険性について語るべき

自由を考える』で言っていたことを忘れていなければ。



補足するなら、問題は「言論の自由」だとか「表現の自由」だとか言ったレベルで済むものではない。



テロを抑制するという「セキュリティ」的な発想で運営されている「予告.in」が、実質的にテロリズムを生み出している、ということに誰も気づいていない点がもっとも重要なポイントである。



「生み出している」というのは比喩でも、予防効果の無さへの皮肉でもなんでもなく、本質的問題としてそうなのである。



喪失した「大きな物語」は、「歴史」だけではない。



「人間」そして「人間性」というものもまた、すでに喪失した「大きな物語」なのである。



それを「セキュリティ」で穴埋めをしようというのは、あまりにもナンセンスだ。



それはどこまでいっても、反作用を生み出す機械でしかない。