自殺するのに、エネルギーなんていらない。

吸い込まれるように、虚脱感がからだを包み込み、あとは光さえ逃れられない重力の井戸の底へと、魂を引きずり落とされるだけでいい。



気力の問題じゃあない。



当然、勇気の問題でもない。



喜怒哀楽を、己の力量を越えたなにかによって、超越し、善悪の彼岸に達したものだけが知る境地だ。



誰が、「他人」を救えるものか。