あまり“度しがたい”感じがしない『メイドインアビス 深き魂の黎明』

 


アニメは見た。原作は読んでない

その上で映画を観て感じたこと

「深き魂の黎明」というサブタイトルの割に、魂を感じる所がなかった

むしろこの作品のテーマは肉体なのだという確信を抱いた

「アビスの呪い」という設定を見てもそれは明らかだ

 


深界一層 めまいや吐き気
深界二層 重い吐き気、頭痛、末端のしびれ
深界三層 平衡感覚に異常、幻覚、幻聴
深界四層 全身に激痛、穴という穴から流血
深界五層 全感覚の喪失による意識混濁、自傷行為
深界六層 人間性の喪失、もしくは死に至る
深界七層 確実な死

 


どの呪いを見てもわかるとおり、すべて身体的な症状となっている

特に「人間性の喪失」という呪いにおいては

ナナチやミーティに代表されるように

人間からモンスターのような姿形になることをもって「人間性の喪失」だとされている

作品においての「人間」の定義が五体満足であること

作者にとっての「人間」への関心が肉体にあることがわかる

 


この映画でいうならばボンドルドとプルシュカの表現が問題になる

「深き魂の」というサブタイトルとR15+指定を受けたからには

生きた少年少女を文字通り使い捨てにしながら人体実験を繰り返していた以上の

いったいどんな狂気が描かれるのかと思って身構えていたのだが

なんか「古代の遺物を使って精神が肉体を渡り歩く能力を獲得した超人」と

あと「女の子が箱にされる」だけでした

ズコーヽ(・ω・)/

ムキムキドラゴンメイルマッチョで尻尾が生えたラスボスとか

ズコーヽ(・ω・)/

 


「深き魂の黎明」=「アビスの深層にいる魂が不死の存在になった黎明卿」

 


はいサブタイで話の内容のご説明ありがとうございました

絵的に=視覚的に面白いだけで表現としては割とありきたりな作品と言うことか

肉体がグチャグチャになる感じの表現が見たいという人にはご褒美なんだろう

人間の魂や精神についての尖った表現が見たい向きにはまったく向いてない

 


押井版攻殻機動隊と神山版攻殻機動隊の違いにもどこか似ている

 


押井版=魂が宿る肉体こそが存在の本質

神山版=肉体を超えて存在する魂こそが存在の本質

原作版=最強無敵科学万能主義(技術が家畜を支配する暴力を肯定する世界観)

黄瀬版=よくできた同人作品(公式)

 


原作版と黄瀬版はともかく、押井版と神山版ではそのテーマが全く入れ替わっている

初見殺しというか新参お断りな攻殻のイメージはだいたいそれが原因だ

押井版と神山版のどちらがメイドインアビスに近いのかというと

もちろん肉体をテーマにする押井版だ

まあ対談が実現したとしても、肉体の愛で方が違いすぎて話はかみ合いそうにないが

 


異形の肉体表現と狂気の精神表現が両方共に備わった作品はないのだろうか

 


二つを兼ね備えた作品といえば、やはり『HUNTER×HUNTER』になるだろうか

一見して、超能力バトルの体をしてはいるが

精神的に人の道から外れた者が他人を身体的に容赦なくなぶり物にする人殺しマンガだ

とはいえ狂気の表現よりも、異形による殺人表現が前面に押し出されるので

これもあまり好みではない

 


肉体表現には個人的にまったく興味がないので

メイドインアビスにはがっかりしたし

攻殻機動隊といえば神山版こそが至高だし

HUNTER×HUNTERはとにかく話進めてくださいとしか
→あれ絶対、心理戦とか駆け引きのせいで『ドラゴンボールZ』化してる

 


狂気の表現でいうと映画『エイリアン・コヴェナント』がここ最近観た中では頭抜けてる

復習するは「我」にあり

問答無用で皆殺し

新世界の神となる

 


みてください!←褐色狂気少女風

 

 

 

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