附、ソーシャルネットワークについて

先日のいいっぱなしへの補足的な結論をまとめると、
【定義】
ソーシャルネットワークとは、ネットワーク上に新たなソーシャル(公的/社会的)な関係性を構築することを意図するもの/意味するのでは「なく」、
すでに構築されたソーシャル(実際的/社会的)な関係性をネットワーク上に再構築/一部移転するものである。
といったところになるだろうか。

ま、確かに世の中には出会い系サイトというものが存在し、そこで構築された関係性でもって結婚したりする人もいるようなので、決してゼロからのネットワーク上の関係性の構築というのも無理な話ではない、ともいえるのだが、
ただし、そこには、
「出会い系」と「ソーシャルネットワーク」という、それぞれのもつそもそもの存在が意図する「本質」の差異というものが、見えないまでもそれなりに大きな断絶を形作っているのではないだろうか。
つまり、強烈な一対一の関係性の「獲得」という明確な「ゴール」がはじめからある「出会い系」に対して、
ゆるやかな横のつながりというイカニモお手ごろ価格の「いやし」商品的空間を提示し、そして、「その空間の存続自体を各メンバーに自己目的化させる」という、曖昧かつ「すでに決定済み」の目標を掲げる「ソーシャルネットワーク」は、
そもそもその本質において、「メンバー間の密接な関係性の構築」とはまったく無縁のシロモノだったのではないだろうか。

だとすれば、このような仮想空間が「なぜ」形作られたかという、その意図が、大きな問題となる。

深く考察できる材料もないので、ごく簡単に二点だけあげるとすれば、
ひとつは、「製作者/製作サイドの自己満足」
もうひとつが、「商品広告・宣伝・戦略の材料としてのマーケティングリサーチのための釣堀」
といったところだろうか。