「カーニヴァル化」への違和感。

カーニヴァル」という概念がイコールとして「祭り=祭祀」として結びつけられているとしたら、この本は、やはりかなり怪しいシロモノなのではないだろうか。
もしそうだとすると、違和感のポイントを二点あげることができる。
ひとつは、今の社会は「カーニヴァル化が進行する過程にある」のではなく、すでにそれが「浸透しきった状態にある」ということ。
もうひとつは、著者はこれを日本社会においては「21世紀的な現象」だとしてるが、それどころか、その遡及を確実な時点にまでとどめても、少なくとも60年代〜70年代の戦後の経済成長の過程において成し遂げられていたということ。
以上の二点である。