少女騎士の実力

ある日、どローカルな駅に向かって歩いていると、たまたま前を小学生くらいの少女が歩いていた。
ちょっと急いでいたので、何の気なしに足を速めて追い抜こうとすると、
5メートルくらいの距離に近づいたところで、
わかるかわからないかくらいの絶妙なテンポで見事に一定の距離を保たれた。
いくら歩いてもそうだった。
見えない絶対防衛線がそこには確かに存在していた。
お前はあれか、俺の手刀の射程に入るのを恐れているのか。
天位か、天位騎士なのか。
ヒールもはけないくせに生意気な。
それにしてもまさか、背中で語る少女がいようとはな。
悪かったな、「犯罪者予備軍」で。
俺の両の拳からは血の涙が熱く流れ出たのだった。