今ここに必要な「児童ポルノ」対策

もし、今緊急に必要な「児童ポルノ」対策があるとすれば、それは「母子家庭を保護しろ」ということである。経済的に苦しい状況にある母親が、本人の意に反して娘を「アイドル」として売り込むという構造が、おそらく問題とみなされている今のローティーンアイドルDVDの温床となっていることを無視して、そのあきらかな虐待が発生する環境を放置して、一体何が「児童の人権」か。
もう一歩踏み込むなら、若年層に対する避妊教育をより徹底し、コンドームや低用量ピルの無償配布くらいの措置を講じるべきであろう。もはや10代はおろか、20代での出産ですら貧困の原因となりうる時代なのだ。それとも、日本ユニセフ協会は仲の良い(?)統一教会ばりに「純潔教育」などという空疎な精神論を推し進めようとでもいうのか。
あるいは、「あしなが育英会」(http://www.ashinaga.org/index.php)のような活動との協力体制をより密接にし、そのバックアップを政策レベルで拡充することである。「児童の人権を守る」というなら、どんな経済的境遇におかれていてもまっとうな教育を安心して受けられるような体制を政治レベルで構築するべきではないのか。「徳育」が必要なのは老人たちの方であり、子供ではない。



一言で言えば、寝言を垂れ流す暇があったら拡大する貧困対策をしろということである。



今も昔も子供を売るのは、金がないからである。
体を売るのは、それが残された金を稼ぐ手段だからである。
それを防ごうというのなら、必要なのは経済対策であり、社会福祉政策であり、教育対策であり、つまりこの15年以上の間ズタズタに引き裂かれ続けてきたセーフティネットを構築しなおすということである。
カルトじみた宗教団体にしかセーフティネットがないとは、一体ここは本当に先進国と呼ばれる国なのか。
パレスチナハマスを批判できる人間が日本にいるとでもいうつもりか?



創作物と実在の人間の区別もつかないような、空想と現実の区別も付かないような愚かな上にも愚かを重ねたような世迷言を「正論」と受け取っているようでは、「美しい昔の教育」のレベルの底も知れるというものである。



また、援助交際については、買い手はもちろん、売り手が主体的に犯罪を主導している面をより強調し、禁固4年以上罰金1000万円以下の重犯罪として規定しなおすべきである。これだけでも十分な萎縮効果がでることは明らかである。直接的な罰則の強化が犯罪を減少させるというのは、道路交通法改正後に飲酒運転が減ったという事実が証明している。
さらに、その売買春の闇市場の温床となっている携帯サイトを取り締まれないというのなら、携帯電話そのもの所持を18歳未満は禁止にすればいい。就労に関しても、それで何の問題もないはずである。また、携帯がない程度で友達が減るというのであれば、そもそもその程度の関係だったということである。
あるいは、mixiやプロフやモバゲーなどのネットサービス内において児童売買春が発覚した場合には、そのインフラを提供した企業にも犯罪幇助であるとして重大な罰則を課すべきである。もちろん携帯電話キャリアインターネットプロバイダーも例外ではない。製造物責任法はネットワークサービスにも適用されてしかるべきであろう。
いっそのこと、HDDから著作権課金と準犯罪課金の二重取りをすればどうか。



どこまで行ってもこの国には、文化的な問題や精神論的な問題しかないと思い込むような老人が多すぎる。
少子化にしろ、ニート・フリーター・「自分探し」・「非モテ」にしろ、この国で起こっている問題のほとんどすべては、経済問題であり、社会福祉問題であり、精神的問題などではまったくない。
百歩譲ってもそれは医療問題であり、精神疾患として社会福祉の対象となるべき問題であり、断じて老人の老人による老人のための娯楽――若者叩きの根性論の肴になっていいものでもなるべきものでもない。
抜本的かつ構造的な思考や対策をなんら一切カケラも練らずに、思いついたから目に付いたからというレベルの発作的で衝動的な脊髄反射的対処療法が、あたかも「健全な正論」としてマスコミを通じて流布されるところが、もう「日本が終わっている」ことを如実に示している。



「アニメや漫画、ゲームなどで児童を性的に描いたものも「準児童ポルノ」として違法化するよう政府・国会に求めていく」だって?



それが制定されたあとは、一体どの時点にまでさかのぼってどれほどの量の存在が抹消されることになるのだろうか。
おそらく、手塚作品はおろか「白蛇伝」にまでさかのぼってその存在が抹消されることは疑いの余地のないところである。(宮崎アニメ的に)
そしてアニメは、今放送されているようないわゆる大人向けのアニメから子供向けのアニメまでが全滅し、カートゥーンネットワークで放送されているような、宗主国アメリカ産のディズニー調の四角いカリカチュアライズされた「正しい」表現だけか、動物ものだけが残るだろう。あるいは、液晶モニターを持ち歩き、講釈と同時にマウスをクリックする電気紙芝居が公園や団地やマンションを巡回するようにでもなるのだろうか。
マンガであれば、明らかに人間ではない身体表現に終始するマーベルコミックの亜流だけになるだろう。または、平安絵巻や浮世絵のような人物造型があふれ出し、老人たちが歓喜の白い涙を股間から染み出させるだろう。
ゲームの場合は、おそらく8ビットマシン以前にまで逆戻りし、X68000ファンが大喜びするだろう。
ああ、肝心なことを忘れていた。
すべてのジャンルでSFファン涙目歓喜。ロボットは無機的なデザインで統一され、宇宙人はタコ型しかいなくなるだろうが。
――これを懐古主義と呼ばずして何というのか。



空想と現実の区別も付かないゆがんだ精神の持ち主が復古主義ナショナリストであるという証左がまた一つ(笑)



その上で、日本のマンガ家、出版社、アニメ製作会社は、その全員が「準犯罪者」として逮捕拘留の上、財産の没収をされるべきであろう。
なによりも、露出の高いレオタードで少女が戦うなどという作品を描いたマンガ家と残酷でグロテスクな描写で少年が殺し合いをするような作品を描いたマンガ家の夫婦は、腹を切って死ぬべきである
これだけすれば、おそらく年金の財源は十二分に確保できるであろう。
だんかいばんざい だんかいばんざい そしてねんきんもんだいがかいけつするだろう。
これには孔明も舌を巻いた。



「ジャパンクール」と言われ日本のオリジナリティとして「発見」された交易商品を自ら消滅させる、まさに影差すサイレントテロ。



ぜひとも完遂していただきたい。
「沈黙」は力だ。破壊の力だ。





<参考>
日本ユニセフ協会の「なくそう!子どもポルノ」キャンペーンの問題点 - good2nd
http://d.hatena.ne.jp/good2nd/20080312/1205328684


児童ポルノの単純所持禁止にアニメ・マンガ・ゲームは含めるべきか否か? - GIGAZINE
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080313_child_anime_manga/


「財団法人日本ユニセフ協会」(国連ユニセフとは別の天下り団体)が児童ポルノ法キャンペーンを開始した件 - カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの虚業日記
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20080312#1205276765


日本ユニセフ協会 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%82%BB%E3%83%95%E5%8D%94%E4%BC%9A