テロリズムはなぜ「放置」されるのか?


答え:それが一番効率的だから。


解説:一人や二人のテロリストが生まれたところでそれが起こすことのできる事件はせいぜい小規模なものに止まるから。また、たとえ死者を含むような被害が出たとしても少数の人間が死んだところで社会全体としては何の問題もないから。


補足1:誰も「自分だけは死なない」と思っている上、その信念が証明され、強化されていく確率の方が高い。わずかばかりの異端に目を向けるより、無視する方が多数派の生存にとっては効率的。


補足2:「放置」されるとは、既に発生した事件に対するヒステリックな対処以前に、そもそもテロリズムというヒューマニズムの帰結を招かないようにするための対策が講じられないことを指す。


補足3:テロリズムとは「対抗国家」(カウンター・ネイション)である。即ち、テロリズムそのものが法である。故に、テロリズムに対してそれが「非合法」であるとの指摘は意味を持たない。


補足4:テロリストは第一義的に殺そうとしているのではない。生きようとしているのだ。あらゆる「事件」はそのための手段に過ぎない。


補足5:日本における一年間のテロ被害者の総数は、自殺者の数にはるかに及ばないし、交通事故死者数にも及ばない。