「病気」とはもはや「権利の乱用」である


この本は、そういう事を言っているのかもしれない。


「私はうつ」と言いたがる人たち (PHP新書)

「私はうつ」と言いたがる人たち (PHP新書)


この極度に「理想化」された「健常」社会において、許されるのは「一時避難」のみであり、その「一時避難」を利用して良いとされるのは「病気」カテゴリに入るために医者から「正式な許可」を受けたものに限り、そして、その「病気」カテゴリとは「一定時間内に離脱すべきもの」として「決定」されている。


当然、その「病気」カテゴリにおいては「いかに病人足るべきか」という「正式な作法」が存在し、その枠から「はみ出た」ものは「病気」であるという「認定」を取り消され、社会的に抹殺されてもかまわないとされる。


「権利の乱用」という、規律訓練概念から逃れる方法など存在しない。


権利とは「与えられるもの」であり、「生まれつき保有するもの」ではない、とされる以上は。