YouTube - ニュースの深層3/17(木)「福島原発事故 メディア報道のあり方」<【要点】追記>

その1


【 要点 】
広瀬隆 ノンフィクション作家 著書『原子炉時限爆弾』
・原子炉は崩壊熱が出続けるため、放水は効果がない。冷やし続けることが前提。焼け石に水
・対策はただ一点、「電源を修理接続して、水を循環させるシステムを復旧させる」こと。
・この事故は、原子炉の外部電源が津波で破壊されて発生したもの。
・原子炉容器の底はマスコミ報道の「ポンチ絵=イラスト」にあるようなつるっとした丸いものではなく、何本もの制御棒や配線などが林立している。
・海水をかけるということは、それらの接続部に塩を付着させるもの。廃炉は決定的だろう。
・作業員は、被爆してほぼ死ぬだろうという覚悟をしているはず。
・日本人は「正しいパニック」を起こすべき。
・私(広瀬氏)が総理なら、チェルノブイリと同様のコンクリート封鎖を行う。
・「最悪の状況」というのはそんなに低い確率ではない。起こりえること。
・原子炉が六機、一緒に崩壊することは高い確率であり得ること。
・風速2mの普通の風で、5日間で日本中が放射能に包まれる。
・それを最低限に抑えることを、いまからやらなければならない。
・これは電源がなくなって始まった事故。初動対策は、電源回復だけだった。(それをやらなかった/失敗した)
福島原発を作った日立と東芝の技術者を結集するしかない。
・官邸の対応はド素人。スリーマイル島のカーター大統領のリーダーシップとくらべてもヒドイ。

その2


【 要点 】
・放水ポンプの燃料不足や通信専用回線を間違って切ってしまうなど、レベルの低いミスが連続している。
・なぜ最初に発電機+技術者を送り込めなかったのか、できなかったのかということが、日本のすべての原発の欠陥の証明。
・「健康に被害はない」、「レントゲン」並み、「CTスキャン」並み等のマスコミ報道が多い。
・しかし、「400ミシリーベルト」の意味は、=放射線量が「通常の350万倍」。どこが「大丈夫」なのか。
・報道機関はこの数字を報道していない。
・一瞬しか受けないレントゲンやCTと比較しても意味がない。比較してはいけない。
・問題は体内被曝。放射性物質が体に入ること。
・距離の二乗に反比例するということは、一粒の放射性物質が体に入っただけで、被曝量は一兆倍になる。
放射線放射性物質を同じと考えてはいけない。レントゲンやCTは放射線。今回怖いのは放射性物質
・体内被曝に関しては女性や幼い子供が特に危険。
・モニタリングというのは空間=放射線をしらべているだけ=放射性物質をしらべているのではない。
放射線が飛んでくるのと放射性物質そのものが飛んでくることはまったく別。
炉心溶融によって、既にヨウ素がガスになって出ているはず。
・コンスタントに分析しないといけないものが、できていない。モニタリングポストは意味がない。
・「放射性物質そのものが飛んできて体内被曝すること」はありえる。
・既に、3.4キロメートル離れた地点で放射能放射性物質が検出されている。1000マイクロシーベルト=1ミリシーベルトの針が振り切れている。
福島県全域が既に危ない。パニックになる方が当たり前。
・海外メディアの方が確かな報道をしている。
・日本のメディア(NHK)のいう「ただちに健康に影響はない」という言葉の、「ただちに」とはいったいどのくらいなのか、なぜ誰も追求しないのか。
・ガンなどいつ発症するか分からないものを、軽々しく「大丈夫だ」だとか「安全だ」などといって欲しくない。
・危険であることをもっと報道するべき。海外メディアならもっと危険性を訴える。
・ドイツ人は既に放射性物質飛散のシミュレーションの動画を分析して作っている。
・「安全」だという根拠は「放射線」。「危ない」のは「放射性物質」。
・いますぐ「放射性物質」を測定するべき。
・「安全」報道は、犯罪に等しい。

その3


【 要点 】
・一昨年の駿河湾地震では浜岡原発が緊急停止した。
・8月に起きたその地震を、「地殻変動の調査」を元に4月時点で予測していた。
・2009年頃から太平洋プレートが大きく動き、世界各地でM8〜9クラスの地震が多発していた。
・太平洋プレートが全部動いているから、太平洋岸の原発が全部危ないと思っていた。
・これからまだ大きな地震が「連動して」起きる。
・本物の地震学者は石橋克彦氏(神戸大学、著書『大地動乱の時代―地震学者は警告する (岩波新書) 』)だけ。
・「小田原地震グラフ」を見ると、関東大震災から数えて「73年サイクルで次に1998年に起きるはずの地震」が起こらなかった。そこから既に13年オーバーしている。それが今回の地震につながった。
・今回の地震は、チリ沖地震(2010年2月)と連動している(同じ太平洋プレート上)。
・近く今度は、相模湾か、駿河湾で次に地震が起きることを確信している。
浜岡原発は3機あるが、駿河湾で起きる地震直下型地震として、揺れで原発を破壊するだろう。持つはずがない。
・反対意見で良く出る「電力の3分の1は原子力だから、原発を止めたら日本の経済・国民生活も大打撃を受ける」というのは嘘。
・電力ピーク時、年間最高使用量は、火力発電と水力発電だけで十分まかなえる。
・いまは恐らく、火力が何らかのトラブルが起こって復旧に手間取っているからいま停電が起こっているのだろう。燃料補給がうまくいってないではないか。
・過去に東電が福島と柏崎、合計17期の原発を冬期に全て止めたことがあるが、停電になどならなかった。
・火力は原発のような事故は決して起こらない。
・今回の日本の事故によって、ドイツも中国も原発見直しに動いた。
・今後日本が原発をどうするかは「国民の問題」。どれだけ危険性を理解するか。
・しかし、日本のマスコミにはまともなことをしゃべる人が出ていない。
京都大学の小林圭二氏、小出裕章氏、慶応大学の藤田祐幸氏や、原子炉設計者の田中光彦氏(元・日立の主任設計者)などにもっと表に出てしゃべってもらうべき。
原子力の設計者をマスコミに出演を要求する理由→田中光彦氏は福島原発の原子炉製造時に日立が不正をしたことを自分で見て知っていたので、チェルノブイリのあと内部告発した。
・原子炉製造の技術者が、日本中の54基の原発すべてについて、止めて欲しいと言っている。
・本当にもう一つ怖いのは、若狭湾の14基の原発もんじゅを含めて)。
・あと怖いのは、青森県の六カ所村。ここがいったら、チェルノブイリの何百倍になる。


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