「がんばってください」と小さくいうよりも、「お大事に」といった方がよかったのかもしれない。
「がんばってください」としかいえなかった自分が呪おしい。
そしてまた分かったことが。
それは、一見して搾取的環境においても声を上げずただ耐えているかに見えたかの人は、それ以前にそれ以上の恐怖を味わっていたのだ、ということ。
事前の恐怖が現在の抑圧を是認してしまうというこの現状!
抑圧について考えることを放棄しなければ、恐怖を避けられない時代なのか。
――明日はわが身、だ。
そう、あの背中が以前、私の物であっただけに。