嫌韓流へのクールな反応と、美術についての一言
圏外からのひとこと - で、「マンガ嫌韓流」の内容はどこまで信じていいの?
一世を風靡したあの小林よしのりですら、もはや「声のでかいブロガー」程度の小物に成り下がった現在*1。その稚拙なエピゴーネンに過ぎない『嫌韓流』が、こうした態度で迎えられるというのはある種、理の当然といえようか。
リンク先で紹介されているのは、「あの」2chからのレス抽出とその考察なのだが、きわめてクールな反応の数々が見られたことが明らかとなっている。
特に、この作品内での「文化がない」(=野蛮である)発言に関しては、「作者のほうこそ教養がない」(=野蛮である)ことを証明しているに過ぎない。
こんな馬鹿はほっとくとしても、御用とお急ぎでなければ、大阪は中ノ島の東洋陶磁美術館へご足労願いたい。見所は、「美術館荒らしが逃走する際に誤って粉々に砕き割ったにもかかわらず、脅威の技術力*2で完全に修復再生された、60センチ級の大型の李朝白磁の梅瓶*3」である。
また、韓国内で青磁技術が廃れたとあるが、北朝鮮の芸術院*4ではその技法が受け継がれ、お土産として外貨獲得の重要な商品となっている。……まあ、その売られ方が「貴重な年代物の高麗青磁」として売られているところが詐欺的ではあるのだが。
他にも朝鮮美術としては「高麗仏画」や「民画」というものが挙げられる。特に、この「高麗仏画」に関しては、日本の侵攻の際にたびたび略奪の対象となり、戦火と貧窮の時期の多かった朝鮮半島内よりも日本の寺院の中や地主の蔵の中に、多く残されていたりする。それをまた狙い済まして、「我が民族の遺産を取り戻して何が悪い」とばかりに韓国からの窃盗団が頻繁に暗躍しているところが、またややこしいところではある。美術の知識を持った彼らはいわば「専門家集団」であり、そのため持ち運びしやすい小品が特に狙われやすいこととなっている。
音楽の面においても、アリランとして知られる盆踊り様の民族音楽以外にも、日本の雅楽にも似た趣を持つ宮廷音楽としての朝鮮音楽もある。……ただ、リズムがかなり単調でかなり眠い*5。まあ、テクノ好きにはアンビエント系として受けるかもしれない*6。
以上、日本における朝鮮美術研究の大家である「将軍様*7」の薫陶を受けた物として一言申し添えてみました。
ああ、それから京都は出町柳の下鴨神社参道の途中には、朝鮮美術を専門に扱ったギャラリーショップがあります。お手ごろな物としては、象嵌青磁の破片や、青磁の小さな明器*8などもありますし、足が特徴的な李朝家具なども置いてあります。よろしければどうぞ。あと、ここの案内ハガキの写真は、いつもすばらしい出来だったりします。