あえて言おう、「これはひどい」〜「惑星」の本を読んで(る途中)〜
惑星開発委員会の同人誌、『PLANETS 01』をゆるゆるつらつら読んでいるのだが、なんか読めば読むほど、これはひどい本なんじゃないかという思いがしてきた。
なんかもう、「お前らは遅れてるんだよ、バーカバーカ!!」とくりかえしくりかえしいいいながら、結局そこで何か新しいことがいわれているのかというと、そうじゃない。
よくて、「とりあえず俺はここにいるぜ?ドウヨ?」みたいな。
それにまったく意義がないとはいわないけども、「ただ高みに立ってみました」というようなスタイルというのは、これが意図するところの「挑発」にすらなっていないのではないだろうか。
とりあえずの敵として「中国・韓国・北朝鮮」を肴にすることで、とりあえずの仮象としての「日本」を抱く、というのではないが、とりあえずの敵を叩いても、獲得できるのはとりあえずの自己像でしかないと思えるのだが。
「古きよき批評というものは大きな敵に依存することでその力を保てていた」というのが今の時代の批評の大前提――スタート地点なのだとしたら、その構図を縮小再生産したってしょうがない。
もし、今の敵の拡散した状況で、それでも批評をするというのなら、――マッハの壁の向こう側に新世界を夢見るチーム・波状言論な人々はほっとくとして*1――ドウヨ?とオタクマッチョなボディを見せ付けるんじゃなく、その身を投げ打ってのカミカゼ・アタックならぬ、ハラキリ・アタックがいるんじゃないかなあ、と。
*1:それはそれで何かに資するものだろうから。「いつ」「誰に」かは知らないけど……