「フェミニストたるあなた方の“進んでいる”と思ってる場所はすでに80年以上前から停止しているッ!」
美徳の不幸より
与謝野晶子、平塚らいてう、山川菊栄のどの論説を読むかの選定作業をしている。*1
でも、読んでいて思うのは、「この言葉、今の時代にもそのまま通じちゃうなあ」ということ。氏が努力を尊び、奮闘を重んずるのあまり、いっさいの社会的困難は個人の努力一つで解決せらるるものであり、個人が貧に苦しむのは自己の努力の不足に起因する、いわば自業自得の結果であるといったような、きわめて手軽な安価な、そして紳士閥社会の理論を裏づけるような結論に到達されていることは、氏のために惜しまざるを得ぬところである。(山川菊栄「母性保護と経済的独立」、『山川菊栄評論集』岩波文庫、pp.67-68)
女性が、最近の男性に向かってよく言うセリフ(または見せる態度)に、
「あなた方のいる場所は我々はすでに30年以上前に通過しているッ!」*2
というものがありますが、
上に引用された山川菊栄の文章がいつ書かれたものかというと、(訂正)1918年のもの1920年代のものなんですよね。
つまり、女性に対して男性側からこうも言えるわけです。
「フェミニストたるあなた方の“進んでいる”と思ってる場所はすでに80年以上前から停止しているッ!」
さて、みなさん*3、女性解放運動の歴史と男性解放運動の歴史に、はたして有意な差はあるのでしょうか?
それとも、見事「分裂含みの「連帯」」を構築することができるのでしょうか?
*4