なぜ「わたし」は「小説」を読まないのか。


それは、「他人の心」に興味が無いからだと気がついた。


いや、無関心だと言うべきか。


否、「わからない」のだ。


その有無すら。


では、なぜミステリーとファンタジーとSFなら読むのか。


それは、それらが「わたしの物語」だからである。


隠された謎という「わたし」。


剣と魔法という「わたし」。


科学技術という「わたし」。


すべてがすべてこの様子。


一事が万事このとおり。


わたしにとって必要なのは、「誰か」が「誰か」と「誰か」であると、彼方で円を描くような、


そんな迂遠なモノでなく、あくまで「わたし」、そう「わたし」。


あくまで「わたし」、そう「わたし」。


「誰かとわたし」、ではなくて。


「誰かもわたし」。


そう「わたし」。





(ここで言う「小説」とは、私小説とか群像劇とか恋愛物とかそういう類のものです。)