大いに白ける少子化白書

少子化社会白書〈平成18年版〉新しい少子化対策の推進

少子化社会白書〈平成18年版〉新しい少子化対策の推進

内容(「BOOK」データベースより)
本書では、最近の少子化の現状について解説し、「新しい少子化対策について」の内容や海外における少子化の動向について紹介するとともに、平成17年度に政府が講じた施策の概況について記述しています。

内容(「MARC」データベースより)
「子どもの成長に応じた子育て支援策」「働き方の改革」「社会全体の意識改革」の3つの柱からなる新しい少子化対策の内容や、海外における少子化の動向を紹介。また、17年度に政府が講じた施策の概況について記述する。


まあ、中身はぜんぜん読んでないんだけど、
「子どもの成長に応じた子育て支援策」「働き方の改革」「社会全体の意識改革」
ってのがおそらく完全に的をはずしてるんだろうなってことは分かる。



<理由その1>
「子どもの成長に応じた子育て支援策」って、そもそも「子供が生まれない」ことが問題なのに、生まれた子供に対するケアを手厚くしますよなんていうのは間接的にも程があるだろという話。
なんていうか、デパートの菓子屋の売り子が「甘くておいしいですよ」とか何とか声をかけてるのとおんなじ。
そんなんで誰が買う?
そんな紋切り型の売り文句を真に受けて買うとしたら、そもそも最初から買う気のある人が買ってるってだけじゃない?



<理由その2>
「働き方の改革」って、そもそもその結果として派遣社員契約社員やパートやアルバイトやフリーターやなんかが生まれたんであって、それが「子供が生まれなくなった」最大の原因でしょうがという話。
なんていうか、レジに必要な人件費が惜しいからって効率化と称して一人しかレジ係を置かないようにしてその一人にすべての客をさばかせるのとおんなじ。
そんな店に誰が行く?
空いたレジが後ろにズラリと並んでるのを見ながら一人しかいないレジ係のところに長蛇の列がいつでも出来上がってるような店で好き好んで買い物するなんて、よっぽど金と時間が余ってる余裕のある人だけじゃない?



<理由その3>
「社会全体の意識改革」って、その中に首相三世とか議員三世とか経団連とか派遣会社の社長とかそういう人も含まれてるんですかねって、当然含まれてないんですよねという話。
奴らはとんでもないものを盗んでいきましたってレベルじゃねーぞ
ステキに耳障りだけはいい不思議な魔法の呪文を唱えたところで、ほとんどの場合、満足が得られるのは唱えることそれ自体による自己充足感なのであって、願いがかなったからじゃないのとおんなじ。
ご利益もない呪文を誰が唱える?
もはやありもしない「地域の連帯」だの、もはや奴隷道徳に近しい「家族の絆」だの、格差固定システムとしての「伝統の継承」だのをまともに信じて、毎日一万回唱えられるような人は、最初からそれらに対する圧倒的な埋め合わせ補償をするお金と地位を持ってるような人だけじゃない?



<結論>
以上三つの施策が唱えられている限り、少子化は続くよどこまでも。