予備知識が必要なのがMADではありません。元ネタを知るきっかけがMADなのです。

ニコニコ動画は何故つまらなくなったか。
http://anond.hatelabo.jp/20080601205110


上は要するに、ニコニコ動画じゃなくて、MADが嫌いな人の意見なのだが、MAD歴自称10年(見るだけ)*1の自分としては、それは基本的にMADを見る姿勢がずれているのだと思える。


おもしろいMADには二種類ある。元ネタを知ってるからおもしろいものと、元ネタを知らなくてもおもしろいものだ。


そして、後者こそは「この元ネタはなんなんだ」という風に、自分にとっての新しい出会いを生むきっかけ=また一つ余計な知識を知ってしまうきっかけとなるものなのである。


上の記事は、「こんな動画がある」ということを知るためのツールとしてニコニコ動画をとらえているようであるが、それは一次作品であろうと二次作品であろうとまったく関係ない物ではないのか。


もっといえば、二次作品=MADであれば、単に動画だけではなく、動画+音楽、画像+音楽、音楽+音楽、動画+画像+音楽……といったように、一つの作品からいくつもの作品に出会うきっかけが生まれる可能性がある。


ちなみに、私が生まれてこの方始めてみたMADは「北斗のメモリアル」である。


そのとき私は「北斗の拳」は知っていても「ときめきメモリアル」に歌があることはしらなかった。


だがそんなことはどうでもいい。


こうして私は「ときめきメモリアル」にはオカシイ歌があるということを知ったのだ。


これがいわゆる「電波ソング」の消費のされ方である。


また、私が「陰陽師」を知ったのは、「陰陽師は大変なものを盗んでいきました」からであり、この基本スタイルが現在ニコニコでブームになっている「東方シリーズ」でもしっかり貫かれていることを証明している。


あるいは、「スパイダーマン」MADならば、ハリウッドに先立つこと実に24年前に東映制作で作られた日本版特撮ヒーロー物が元ネタなのだが、はたしてMAD見るのにそんな四角四面な前提知識が必要だろうか。


どうぞご覧ください。


*1:又吉「唯一神」のネタ画像なら作ったことがある