シンギュラリティはスカ


SFにおける「シンギュラリティ」を一言で表現すると、「一周回って集団をリードしていたはずが、判定で周回遅れだとされる」ようなシロモノ。
少なくともそう見えてしょうがない。
以下リンク集
『シンギュラリティ・スカイ』だけ読んだ。


コンピューターが人間を超える日、「シンギュラリティー」は起こるのか〜米シリコンバレーで会議開催、インテルIBMなどが研究内容を紹介
http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/10/30/1410.html


シンギュラリティ(文明の特異点)の最新の扇動書――『ポスト・ヒューマン誕生』 | Drupal.cre.jp
http://drupal.cre.jp/node/142

『シンギュラリティ・スカイ』(チャールズ・ストロス/ハヤカワ文庫) - 三軒茶屋 別館
http://d.hatena.ne.jp/sangencyaya/20090108/1231425230


シンギュラリティ・スカイ SINGULARITY SKY
http://www.inawara.com/SF/H253.html

ケン・マクラウドニュートンズ・ウェイク』 シニカルお笑いスペオペ - メディヘン4
http://d.hatena.ne.jp/medihen/20060902/1157173681


はらやんの映画徒然草: 本 「ニュートンズ・ウェイク」
http://harayan.air-nifty.com/blog/2007/02/post_fa13.html


ニュートンズ・ウェイク NEWTON'S WAKE
http://www.inawara.com/SF/H247.html


内輪
http://www.asahi-net.or.jp/~LI7M-OON/thatta01/that221/utiwa.htm

ニュートンズ・ウェイク』 ケン・マクラウド ハヤカワ文庫
 イギリスのニュー・スペース・オペラがまた一つ紹介された。これまたシンギュラリティ以後の世界を舞台にしたお話で、チャールズ・ストロスアレステア・レナルズと同類とのことだが、読後感はかなり異なる。堺三保解説ではピーター・ハミルトンも同様だということなのだが、ピーター・はミルトンは訳された長編を読んだ限りではどうも違うタイプのような気がする。〈ナイツ・ドーン〉を読まなきゃわからんけど。さて本書は数百年後の宇宙の話であるが、妙に現代と連続していて、「主体思想」なんて出てきたり、マイクロソフトをテーマのギャグがあったりする。でもぼくには笑うに笑えず、ちょっと居心地の悪い感じがした。で、物語の舞台ではシンギュラリティによる「昇天」の後、残された人類が銀河に植民し、主に3つの勢力に別れて共存や小競り合いを続けている世界。第4番目の勢力として、ワームホールのゲートを支配するカーライル家があり、本書はカーライル家に属するヒロイン、ルシンダの率いる調査隊がゲートを抜けてテラフォームされた未知の惑星に現れるところから始まる。この惑星エウリュディケは、300年前の強制昇天から直接逃れてきた地球人の子孫が開拓した星だった。ルシンダの行動により”後人類”の戦闘機械が起動されてしまい、その上他の勢力もこの星に集まって来て、様々な思惑がからんだ争いが始まろうとする。物語はそこからさらに宇宙のあちこちに飛んで、いかにもスペース・オペラっぽい楽しい展開を見せる。SF的大道具・小道具もてんこもりで、ぼくには面白く読めた。とはいえ、スペース・オペラとしての面白さはあるのだが、あまりにも現代と地続きで、異質さが感じられず、紹介されたシンギュラリティ以後SFの中ではとても普通の宇宙SFに思える。いや、だから悪いというわけではないのだけど。シンギュラリティということについては、「昇天」という言い方でもわかるように、結局クラークの『幼年期の終わり』で描かれたオーバーマインドへの合流の今風な表現なのだな、という理解でよろしいのでしょうか。で、残された人々がオーバーロードのレベルで銀河をバタバタしている、と。どうもそんな感じなんですが。ヴァーナー・ヴィンジのオリジナル論文はSFMの2005年12月号に載っているので、また勉強しておかなくちゃね。


続・サンタロガ・バリア
http://www.asahi-net.or.jp/~LI7M-OON/thatta01/that220/tuda.htm

イリアム』がちっとも前に進まないので、先に読んでしまったケン・マクラウドニュートンズ・ウェイク』は『シンギュラリティ・スカイ』と同じように面白いこぢんまりしたスペースオペラだった。それにしても「シンギュラリティ以降」という宇宙のアイデアはどうしてこうも同じ様な舞台背景を作り出すんだろう。一時平行して読んでいた『イリアム』と本書の設定がゴッチャになってしまったぞ。それにしてもニュー・スペースオペラはレムが悲しみそうな方向でばかり書かれているもんだなあ。これだけの変化を抱えた宇宙にいながら、現代人の意識そのままであいかわらずの人間ドラマを繰り返しているだけなんて信じがたいだろうな。ま、テクノロジーと人間意識の変容については日本でマジメに追求されているんだから、面白けりゃいいのよってのも一理かね。

ギブスン&スターリング『ディファレンス・エンジン』 シンギュラリティ/サイバーパンク/歴史改変 - メディヘン4
http://d.hatena.ne.jp/medihen/20081102/1225652260

y.m.g.t. Tumblr - 再びデジタル・ハードコアへ向けて、あるいは眼差しの科学 〜ハードSFとしてのサイバーパンク〜...
http://ymgt.tumblr.com/post/55587789/sf


スチームパンクサイバーパンク - 伊藤計劃:第弐位相
http://d.hatena.ne.jp/Projectitoh/20081019#p1