忌野死すともロックは死せず(英国では)

<訃報>忌野清志郎さん58歳=ロック歌手 がん治療続け(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090502-00000100-mai-soci


忌野清志郎さん死す…突然の他界に衝撃広がる(スポーツニッポン) - Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090503-00000045-spn-ent


THE BRADY BLOG:ガキどもに告ぐ。こいのぼりを破壊せよ
http://blog.livedoor.jp/mikako0607jp/archives/51502065.html


Diversityを教育の柱の一つにしている英国では、幼児教育現場でも様々な国の文化を紹介することが奨励されているわけだが、わたしにとっても子供たちに日本文化を紹介するのは面白い。
例えば、昨年の子供の日に新聞紙で折った兜を見せた時である。
「どうしてボーイズの日だからと言って、男子がそんなものを被らなきゃいけないんだろ?ボーイズがみんなヒーローになりたいと思ってるとは限らないし、サムライの恰好なんてダサいと思うファッショナブルな男子だっているはずだ」
と、当時5歳のレオが言った。彼はアートデザイナー系のゲイの両親に育てられていたから、そりゃあ武者人形だのなんだのという世界はアホみたいに思えたはずだ。



また、ひな人形を製作した時には、女児メイが紺色のフェルトで着物を製作し始めたので、「プリンスの着物を先に作ってるの?」と尋ねると彼女は答えた。
「プリンセスの着物だよ。プリンスの着物はピンクにするんだ。ブルーを見るとすぐ男の子の色だと思う大人はファッキン・スチューピッドなんだってマミイがいってたよ」
言い方は断定的できついが、彼女とその母の主張は正しい。


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幼児たちの言うことは、共通して“ノーマル(人並み)”のコンセプトを疑い、拒否しているからだ。
お父さんとお母さんがいて子供がいる家庭がノーマル。なんで?
両親が女性&男性で構成されている家庭がノーマル。なんで?
親は勤労していてその収入で生活する家庭がノーマル。なんで?


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労働党政府が打ち出している教育の一大テーマは、Inclusionだ。

身体的&精神的能力がどうであろうと、人種が何であろうと、性的オリエンテーションがどうであろうと、宗教や信条、思想がどうであろうと、ソシオエコノミック的階級が何であろうと、全ての人々を同等に受け入れ、社会のシステムの中にIncludeしましょう。というSocial Inclusionの理念が教育にも反映されているわけである。

この考え方の基盤にあるのは、「ノーマルの基準は人によって違うのであり、“こうでなくてはいけない”ということはない。だから全ての人間に社会参加の権利がある」ということだ。


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「なんでボーイズ・デイはサムライ人形を飾るのに、ガールズ・デイはプリンスとプリンセスの結婚式の人形を飾るの?ひょっとして日本のガールズは、結婚することがハッピーになることだと思っているの?・・・ジャパニーズ・ガールズってドリーマーズだね」

とメイは言った。こんな言葉を吐く5歳児は日本の保育施設にはいないだろう。

ガラが悪くて貧しいだけではない。何か非常にレアなものが彼らの中で育っている。

というわけで5月5日は紙と布と紐と絵の具だけ用意して後はどうにでもなれ方式で行くことに決めた。

鯉なんて面白くないと言って豚を泳がせるやつや、絵の具を自分の顔に塗って鯉みたいに口をぱくぱくさせているやつや、製作の主旨を全く無視して画用紙に黙々と風景画を描き始めるやつなどが続出し、さっぱりわけのわからない状況になっているだろう。

それでいい。というか、それがいい、のである。

“こうでなくてはいけない”ということはないのだ。