今一生メソッド VS umeten


とりあえず、『完全家出マニュアル』は読んでみたいんだけど絶版で売ってない、というのを枕にしてはじめる。


正直、今一生メソッドで助かるような人は、最初からたいしてひどい状況に陥っていないんじゃないのか。
ありていにいえば、最初から参入ハードルが低くなってるブルーカラー階層のつまづきへの対処メソッドなんではないのか。
とにかく感情と肉体を重視するあたり、「王将の洗脳」と非常に似た物を感じる。


ここでいう「ひどい状況」というのは、つまりは階層間の狭間に落ち込むとか壁に阻まれるとかそう言った状況。


今一生メソッドというのは、ブルーカラー階層内での「ささやかな」つまづきをサポートする場合には強力なのだろうけれども、階層間格差の狭間に落ち込んだものの場合は、はっきり言ってそれ以前に別の問題を解決できるか否かという壁があるのではないのか。


まあぶっちゃけた話、大卒ホワイトカラー系の人間が、今のいまさら中卒や高卒やチンピラやヤンキーと一体どうやって楽しくおしゃべりして仲良く関わることが出来るのかという問題。


それ自体が多大なストレスだというのに・・・・・・空手?ボクシング?それしか方法がないとかふざけてるのかとしかいいようがない。
そう思った。
空手そのものではなくて、空手を構成する社会的な要素「DQN文化圏」(仮称)に対して拒否感が強いといった方が正確なのだが・・・・・・


しかし、とにもかくにも自分の中の違和感を整理してはき出そうとすると、もうそれだけで今一生メソッドからはレッドカードが提示され異常者扱いとなるのだ。


曰く、「屁理屈」「あたまでっかち」と。


まあ、ハッキリ言ってそれはそうだろう。空手やボクシングにすんなりなじめるようなチンピラ気質やヤンキー気質の持ち主に比べれば。


「考えるな!感じるんだ!」とにかくそれの繰り返し。こちとらそもそもハナからそんな人間に生まれてないってのがなかなか分かってもらえない。


いや、それその「考えると言うこと」自体が「異常な状態」だとみなしているのだから当然か。


ほら、生まれつきの体力格差の積み重ねと負の連鎖みたいなものが忌避感を構成して行くみたいなことは普通にあると思うんですけどねと言う話も通じない。


ついでにいうと、なんかこう気軽に相談相談そう・だん・デス、ダハ*1、みたいに言われるのが一番すれ違ってる気がする。相談する=助けを求めるって相当高レベルな「人間力*2を要求される作業だと思うのですが。

助けてもらう:二条河原
http://square.umin.ac.jp/~massie-tmd/helpme.html


さらにいえば、相談することをあきらめる絶望というものがある。
それは、個性神話の下で心理主義が行き渡り、それが育んだ「自己責任論」の土壌から必然的に出てくるものだ。
なにもかも自分のせいなのだから何もかもを自分の中に背負い込まなければならない、といった風な。


まあもう根っこの根っから根本的な人間観がすれ違いまくりまくっているので、オチなんかつきようが無い気はヒリヒリとしているのだが・・・・・・


つーか相談して解決するような程度の問題を抱えてるやつの問題っていうのは、もともと相談するまでもないもんなんじゃねーの?というのが自分の中に一つある。


だから、相談しようがない問題を抱え込んだ人間に向かって、ほらカンタンだよ相談しろよ、カラダ動かせよボクシングしろよ、ニンゲンを信じろよ心配すんなよ、といわれても・・・・・・


そんな悠長なライフコース通ってきた覚えがカケラもないもんだときたもんだ。


ところが世の中にはお金という物がありまして、お金さえ「間にはさめば」いくらでも友好的な階層間通話が可能になっちゃう。なっちゃう。
パワハラDVキチガイ料理人の作ったディナーを食べて笑顔でごちそうさますることだってデキチャウ。


しかし、金を「間にはさまない」状態でパワハラDVキチガイ料理人と直に触れ合うことが労働と言うものだろう。そんなものが持続可能なのかという問題だ。


まあ、なにはともかくだいたいが、空手道場に「お支払いさせていただく」金がねぇってんだ。

*1:CMネタは風化するぞー

*2:という嫌いな言葉をあえて使わざるを得ない状況