ブログは私の楽しい狩場

先のミクシイよりもさらに露骨に「狩場」としての性格を押し出しているのが、これだ。
“負け犬”Blogで勝ち組に化けろ ネット金融とBlogの接点とは

所詮こういうことか。

「いかに素晴らしい目標も、現実の経済原理によって別の姿に変わる。それがこれまでの歴史だ。」(三浦展ファスト風土化する日本』、2004年、p132)

そしてさらに彼の言葉を借用すれば、
「ネット企業たちは、右手でブロガーたちの個人情報と財布を吸収しながら、左手でコミュニティを謳うのだ!」
ということになろうか。*1


そして、いかに一般のブロガーがうかつに「日記」を書いているのか、その落とし穴を見過ごしているのかについての警鐘となるのが、このニュースだ。
ブログで会社をクビに――米国で解雇例が続出

告発者が「裏切り者」扱いされるのが当然となっているさもしい企業風土しかないのが、団塊老人の支配する日本企業社会なわけだが、
加えて、本来その内部告発を支えるはずの法律も、まさにザルのような出来で、むしろ脛に傷持つ会社のほうをかばうがごとき代物だといわれる。

もちろん、宣伝戦略として「従業員の日記」を記している内はいいのだろうが、
ついうっかり、それと分かる人にはそれとわかる、あるいはそうでない人にもそうとわかるような会社内部の出来事を日記で書いている人は、告発者保護に関しては一日の長のあるアメリカですらこのような現状では、
それがいかに個人的なものであろうと、いつ何時、それに目をつけられ、
そして、
はたして、その身分が保証されるかどうかは定かではない。


そもそもネットとは、
こうまで、「お上の目」を意識せざるをえないような卑屈なメディアであったはずはないのだが、
やはり、マーケットとして整備されてしまったことが、「狩場」として囲い込まれ始めたことが、こういった、あごを引き首をすくめて上をうかがう異様な挙動を促すような原因になっているのであろう。

*1:元は、「政治家たちは、右手で地域固有の風土と歴史ある街並みを破壊しながら、左手で愛国心の旗を振るのだ!」(同上)