「学級階層問題」〜意義ある異議への異議〜

スクールカースト」という言葉に込められた、告発の意図は十分に承知している。


そして、「被差別の実態を隠すことは、問題の解決にはつながらない」という異議もまた一見正論である。


だが、「スクールカースト」という言葉では、あまりにキャッチーさが過ぎ、そしてあまりにあいまいな印象を持ち、これを問題として告発するべく込められた意図が、逆にその「カースト」制を「肯定」するために使われるという、全く転倒した効果を生みつつある。


これはもはや、小泉自民党がなし崩し的に進める「階層の固定化」に寄与していると言っても過言ではない。


言葉の何たるかを、言葉の生む効果の恐ろしさの何たるかをないがしろにしたまま、これ以上の無頓着な使用法が続けば、アホな小学生・中学生が「自己肯定」のためにこの言葉を使い出すなどという狂気の沙汰を生むことにもなりかねない。
そして、またその言葉の使用法を、アホな教師が承認する可能性もある。
学校共同体の犯罪性を告発するべく編まれたこの言葉が、学校共同体を補完するために使われた時、それこそがまた新たなる惨劇の火種となろうことは、言うを待たない。


その削除が性急に過ぎるとしても、代案としてもうワンステップ加えることを許してもらいたい。これが問題であることをより強調する、これが告発であることを知らしめるためのステップを、加えることを提案したい。
それがタイトルの「学級階層問題」という言葉である。


もはや、「スクールカースト」という言葉のあふれるのを止められないにしても、その性質が社会問題であること、構造的犯罪であることを示すためにも、そのキーワードリンク先には一言「学級階層問題」とだけ記し、現在のキーワード解説文を「学級階層問題」というキーワードに回すという案をここに提示する。