その言葉に異議がある

恋愛ニート
恋愛についてまったく知識がなく、異性との恋愛をあきらめてしまっている若者。学ぶ意志も働く意志ももたない若者を「ニート」ということのもじり。

元になっている「ニートNEET)」という言葉の定義自体に、問題が含まれすぎているというのに、安易にそれを二次流用し、さらなる差別と偏見を増幅させようとするこの言葉には、額面的にはカケラも意義を見出せない。
――ま、もともと被差別階層をあぶり出しにするのが目的の流行り言葉のはやし言葉なわけだ。


もちろん、ある一面では、そんな差別的な名前など要らない。
だが、もう一面では、もはやそれが差別であることに対してすら反応する気が起きない。
そのうすっぺらな言葉の「裏」があっさりすけて見えるからだ。


それが、差別的に呼ばれてしかるべきポイントたる「無気力」だって?


大局を見たまえ。


細分化された差別が人を追い込めば追い込むほど、その差別構造の絶対規模は縮小していくのだ。
人口流動が抑制され、「メンバー」が固定化したこの国では特に。
ならば、
黙ってその間抜けな様を見ているというのが、最もコストパフォーマンスの高い身の振る舞いではないかね?


最小限の行為たる不作為こそが最良の復讐なのだ。


富国強兵になど誰が加担するものか。