代理母の問題点の一問題点

備忘録です。あしからず 代理母の問題点
1.妊娠・出産に対するリスク。場合によっては代理母が死ぬ事もある。
2.子供が障害を持って産まれてくる事もある。
3.母性本能の軽視 - 代理母が(十月の間、自分御身体(子宮)の中で育んだ)子を第三者(依頼主)への引き渡しを拒否する事例もある。
4.依頼者が、子供の引き取り拒否する事も起こりえる。
4-a) 依頼者の都合で代理母に中絶をさせることもある。
5.依頼者が、子供が産まれる前に事故などで死亡したりして引き取り不可能になるという事も考えられる。
6.女性を人格を持った人間として扱わず、子供を産む道具として扱うことになる。(臓器提供との関連)
7.受精卵を診断し遺伝病が無いか確認する事になるが、これは子供の選別、障害者差別に当らないかと言う問題。
8.生命倫理の問題。
9.代理出産した家族への影響。出産を依頼した家族への影響。子供への影響。
10.代理出産の強要。
11.施術の精子卵子の取り違え


ただ一点を除いて、リンク先の考察は示唆に富むものであるし、非常に重要な指摘だと思う。


ただし、
2.子供が障害を持って産まれてくる事もある。
これだけはいただけない。


こんなところにあからさまな優性思想をまぎれさせてもらっては困る。


大体、それを指摘するならどんなに正常な妊娠であろうとその可能性はあるわけである。


ならば、あえて「代理母」に固有の問題として提示する必然性は皆無であるし、
さらに、障害を持った子供の出生そのものを「問題視」するような姿勢は、その「対策」としての「出生前診断」に「論理的な整合性」を与えてしまいかねない。*1


まぁ、「1〜5は、常に起こりえる事で、これらの問題が100%回避出来ないのであれば、代理母システムを認めるべきではないと思います。」といわれている部分の意図が、「通常の妊娠」における可能性にも目配りをしているということもあるのでしょう。


ただし、あたかも代理母に固有の問題であるかのように箇条書きに書き出した時点で、読解=誤解可能性をはらんだものとなっていることは指摘できます。


そして、
通常妊娠と「同じ危険性」を指摘したのだとしても、
もっとも問題なのは、「100%回避出来ないのであれば」という文言です。


なんというか、「障害児の出生は「100%回避」するべきだ」とでも読めそうな危険性が感じ取れます。








どうかこの指摘が穿ち過ぎでありますように。

*1:障害の有無をどうしても重視するというのであったとしても、むしろ、代理母出産を選択したほうが、その可能性が低くなることも指摘できる。特に、依頼者カップルが高年齢であったときには。(まぁそもそも前提として不妊があるわけなので、この指摘は無意味かもしれませんが)