明日のために〜その四:「外付けHDD」をメインとして使用する。

 最近では、OSやアプリケーションのデータ容量の肥大化、またはTVの録画機能などによって、パソコンに最初から搭載されているHDD(ハードディスク)の容量も非常に大きいものになっています。デスクトップであれば、80G〜120Gなどはざらになっています。
 しかし、です。いざトラブルが起こり、そして自分では解決できず、メーカーに修理に出した場合、メーカー修理では、ほぼ100%の確立で「再インストール」を行います。これはつまり、HDD内のデータが上書きされて、「完全に消えてしまう」ことを意味します。いくら「大切なデータだから」と念を押しても、そんな声は一切考慮されません。「メーカー修理=HDD全消去」という構図をしっかりと頭に描いておく必要があります。
 これを避けるためには、いくつかの方法がありますが、もっとも簡単なものが、「外付けのHDD」を使用するということです。最近ではHDDの価格も非常に安価なものになっています。120Gの外付けのHDDが、約15000円程度で購入できます。この外付けHDDにデータを保存しておけば、万が一、いや、100%の確率で「何らかのトラブルが起こるWindows」の、どこがどう壊れようと、大切なデータが傷ついたり消えてしまったりすることは、ありません。定期的に、ほかの外付けHDDやMO、DVD、CDにバックアップを取れば、もう完璧です。
 こういった方策を貫く姿勢こそが、冒頭の大前提である、「マイクロソフト社製品を絶対に信用しない」ということです。
そして、Windowsパソコンを使用する上で、最も注意すべき点は、「「マイドキュメント」は、絶対に使用してはならない」ということです。マイクロソフト社がユーザーに仕掛けた大いなる呪われた罠としかいいようのないもの、それが「マイドキュメント」です。もし、ここに大切なデータを保存していたとして、トラブル後、再インストールされた場合、「マイドキュメント」内のデータはまず確実に、完全に、「消去」されます。
 それを避けるためにも、外付けのHDDは必須といえます。そして、この外付けのHDDを使うということとなれば、あるひとつのことが言えるようになります。つまり、パソコンに内蔵されているHDDの容量は、OSとプログラムが動く程度で十分だということです。
最近では自分で必要なパーツを注文して組み立てたものを購入できるBTOというシステムが、大手メーカー、中小メーカーを問わず行われています。また、大手家電量販店やパソコン専門店でも、ショップブランドPCとして、必要なパーツを組み合わせたモデルのパソコンを販売しています。
 容量の変更できないメーカー製のパソコンではなく、こういったパソコンを買うときに、なにも120G、200Gといった大容量のHDDを選ぶ必要はまったくありません。同じHDDの容量を増やすのであれば、外付けのHDDを買ったほうが、安全性の面から見れば十二分に高いコストパフォーマンスが得られるといえます。
 内臓のHDDなど、20G、40Gもあれば十分です。そして、余った予算で、外付けのHDDを買えばいいのです。
また、その他のいくつかの方法も、以下に示しておきます。
◆「パーティションの変更」を行う。
 これは、ひとつのHDDをCドライブ、Dドライブとして、仮想的に二つに分割して使うことを意味します。ほとんどのメーカー製パソコンでは、「Cドライブ、Dドライブ」のパーティションが行われています。ただし、その容量はほとんどが、Cドライブ>Dドライブです。大切なデータを確実に保存するためには、これをCドライブ<Dドライブと、Dドライブの容量を大きくするほうに変更する必要があります。
 なぜなら、「Dドライブに保存されたデータは、再インストールをしても消えない」からです。
ではなぜ、Cドライブのデータは消えてしまうのか。それは、100%の確率でトラブルを起こすWindowsというOSが、同じ位置(ドライブ)に存在しているからです。大抵のWindowsは、Cドライブにインストールされています。そしてトラブル後に再インストールする時には、「Cドライブ全体」が上書きされます。つまり、このときにデータが消えてしまうのです。
ちなみに先に、「マイドキュメント」を使ってはいけないといったのは、この「マイドキュメント」が、「Windowsのシステムの一部」だからです。だからこそ、何かトラブルが起きた時に、すべて上書きされて消えてしまうのです。
 このパーティションを変更する方法は、取扱説明書に記載されているはずです。メーカーロゴ表示中に「F11キー」を何回か押すとこの変更画面に入れます。「Cドライブの領域を自由に作成して再セットアップ」がこれにあたります。購入直後であれば、中のデータは空ですから、何の躊躇もなくできるはずです。また、しばらく使用した後であれば、CD−RなどにCドライブとDドライブのすべてのデータのバックアップをとった後、容量を変更するといいでしょう。
◆「ファイナルデータ」を利用する。
「ファイナルデータ」というアプリケーションソフトによって、消えてしまったデータを回復することができます。もちろん、このソフトを別に購入する必要があります。使い方については、その取扱説明書をよく読んでください。これは、再インストールやフォーマット(初期化)をした後、消えてしまったデータを復元することができるソフトです。
ただし、すべてのデータが完全に復活するわけではありません。別のデータが上書きされていた場合は、上書きされた最も新しいデータのみが復元されます。