試考

なぜ自殺者だけが「障害者」となるのか

芸能人や経営者や技術者や職人やオタクや“迷惑な人々”が「障害者」と呼ばれることはないのに。 なぜ、自殺者だけがその精神疾患を指摘され「治療」の対象とされるのだろうか。 結局、数の問題でしかないのか。 自殺者は多数派と比較して数が少ないからこそ「…

「萌え」とは表現ではなく技術である

という、数年前から暖めてたネタがあったんだけど、ほったからかしすぎて冷めちゃった。 劇画とは「劇画宣言」によって、それ以前から既に技術的には展開されていたにも関わらず、事後的にその宣言時が成立した年次となった、という瓜生説を援用し、『動物化…

東浩紀はいかにして「歴史修正主義」を擁護せしか〜現代思想の戦略と戦術〜

ヘイトスピーチへの法規制について - 児童小銃 http://d.hatena.ne.jp/rna/20081216/p1 東擁護者は「声に場所を与える」ってことで一体なにを考えてんの? - Apes! Not Monkeys! はてな別館 http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20081215/p1 バカの身振り - kom’s …

アニメ批評としての村上隆と、東浩紀のマーケティング(笑)

今日のNHKクローズアップ現代が、一体なぜに全体どういう理由でかこのタイミングで村上隆特集だったので、アートとオタクの門前の小僧の一人としてとりあえず見た。 村上隆の「ビジネス戦略としてのアート」をまとめたあたりはわかりやすく、何というかネッ…

はてなが滅びる日

はてな村人であるというキモさを忘れて言う。ウメダモチオのコメントには、バカなものが本当に多すぎる。自分が取締役を務めている会社のサービスに対して、どうして自分の感情だけを理由に、個人的な批判コメントや自分の意見を書く事ができると思うのだろ…

ブログ論壇の「発見」

「ブログ論壇」はどこにあるのか? - こころ世代のテンノーゲーム http://d.hatena.ne.jp/umeten/20080803/p1 ちょいと前、まだ頭が何とか低空であっても飛行していた頃、上のようなことを書いたのだが、まさかそのすぐ後になって自分が「発見」されるとは思…

どうすりゃいいのさ障害者たちは?

どうすりゃいいのさ女子たちは? - みやきち日記 http://d.hatena.ne.jp/miyakichi/20080820/1219165456 ▼名誉白人ならぬ「名誉健常者」 乙武洋匡の活躍とともに、彼を誉め言葉のつもり(?)で「健常者」と形容する人をちらほら見かけるようになりました。…

テロリズムへの遡行

機械化帝国Googleが破壊する「生身の人間」 - こころ世代のテンノーゲーム http://d.hatena.ne.jp/umeten/20080805/p1 「セキュリティ」! それこそがテロリズムの「本質」なのだ。 先の記事のオチでは、上のように指摘した。 どう考えても「セキュリティ」…

「健常者」に好かれるための基本原則

●相手の「健常者」がしゃべりたいことを察知し、それを「健常者」がしゃべるように誘導してあげる。 ●「健常者」が何をしゃべりたいかは、その「健常者」自身が気づいていない。これを「健常者」自身よりも先に気づいてあげる。 ●会話の辻褄や一貫性は敢えて…

Google社の詭弁に対抗するための批判的思考

文字通り世界規模の盗撮犯罪であるGoogleストリートビュー問題。 それを正当化するGoogle社の詭弁たるや、まさに失笑ものなのだが、毎日新聞の名前を挙げるまでもなく既存マスコミがそろってインターネット嫌いだということから、一般ニュースではまったくと…

障害者を支えるための基本原則

●相手の障害者がしゃべりたいことを察知し、それを障害者がしゃべるように誘導してあげる。 ●障害者が何をしゃべりたいかは、その障害者自身が気づいていない。これを障害者自身よりも先に気づいてあげる。 ●会話の辻褄や一貫性は敢えて無視する。論理的に正…

「努力」という「量」、「才能」という「質」

「日経サイエンス別冊「こころのサイエンス」04」からかいつまむ。 - おれカネゴンの「算数できんのやっぱり気にしすぎとや」日記 http://d.hatena.ne.jp/hachi/20080810#p3 子供を育てるにあたり、子供の知能や才能を強調したり褒めたりすると、予想に反し…

「情報機械」について

機械化帝国Googleが破壊する「生身の人間」 - こころ世代のテンノーゲーム http://d.hatena.ne.jp/umeten/20080805/p1 たった一日でドカンと伸びて100ブクマ到達。 この世で一番肝心なのはすてきなタイミング(by坂本九)ですかそうですか。 「偶有性」万歳…

機械化帝国Googleが破壊する「生身の人間」

Google マップ日本版にも「ストリートビュー」機能--道路に立って街中を見渡せる:ニュース - CNET Japan http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20378334,00.htm?ref=rss ご存じない方もいるだろうが、本日、Google マップ日本版に「ストリー…

「ブログ論壇」はどこにあるのか?

そもそも、「論壇」というくくりでもってブログ界を見渡そうとすると、いきなりヤフーブログやらアメブロやらが大まかにパージされてしまうような感がある。 しかも、本質に即して厳密に言えば、別にHTML直打ちのサイト運営をしていても「論壇」に含まれるこ…

私はなぜ「テロリズム」を信仰せしか――NO MORE WAR, NEED MORE TERRORISM

10年間で30数万人が自殺〜イラク戦争より犠牲者多い「自殺大国ニッポン」は長期の内戦状態にある|すくらむ http://ameblo.jp/kokkoippan/entry-10117667277.html 「これはもう長期の“内戦”状態といってもよいのではないか。ただし、眼には見えないだけの…」…

ネットで攻撃的なことばかり書く人が考える「良い人」

ネットで攻撃的なことを書く人は本当は良い人か? - ハックルベリーに会いに行く http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20080704/1215163134 公開の場でも非公開の場でも黒い発言をする、油断してたら体重が46kgを切りかけたumetenです。 ネットで攻撃的なことば…

承認欲求という言葉がねじまげているもの――又は神のしもべ、ヨブは死ぬべきである

「承認欲求」という言葉が、何か問題を根本からねじまげているそのもののように思える。 「承認欲求」という概念こそが、「社会からの承認」という欲求を心理主義的に「ひとつの主体」のなかに発見してしまっている原因なのではないのか。 問題解決の手段と…

「他人の力を頼る」ということ

ロスジェネ論壇に違和感を感じる件 - NC-15 http://d.hatena.ne.jp/muffdiving/20080629 赤木氏の穴だらけの話をたたきつぶすことは簡単なのだが、それでも重要なのは拾い上げていくことだとも思う。 そこで語られていない問題を。それが「言うことができな…

<非-主体>・<非-人間>・<テロリスト>

http://d.hatena.ne.jp/crow_henmi/20080621#1214062132 はてなブックマーク - サバルタンとしての加藤智大 - BLUE ON BLUE(XPD SIDE) http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/crow_henmi/20080621%231214062132 http://d.hatena.ne.jp/crow_hen…

「センスを磨く」という発想の間違い/あるいは「アイデアを磨く」という発想の間違い

もっと「センスを磨け」だの、もっと「アイデアを磨かないと」という考えや言葉は、それこそ世の中全体にまき散らされているわけだが、実際の所、その発想は根本的に間違っている。 要は、勇気がないんでしょ。 要は、その考えがあたかも「センス」や「アイ…

テロか、犯罪か <TOKYO WAR 2008・アキハバラ>

この事件でいうべきなのは「スペクタクルだから」ではなく、「スペクタクルへ」であろう。 スペクタクルとは事後的に発見されるものだからである。 ハイジャック犯がたまたま狙ったツインタワーが、アメリカ・グローバリズムの象徴に「なった」ように、この…

思考の余白<『アーティスト症候群』への書き込みより>

共犯者捜しのキーワードとしての「アート」「アーティスト」 共犯者捜し=協力者捜し=「交換相手」=双方向利益関係=ビジネス的WIN・WIN関係 その一つとしての「自分探し」→「探される自分」=社会的関係性=「交換原資」探し 「アート」「アーティスト」…

「帰化」問題、あるいは「帰属」問題について

「外国人」が映し出す日本人の血族信仰 - こころ世代のテンノーゲーム http://d.hatena.ne.jp/umeten/20080521/p1 上の記事の補足。 なんか自分が不勉強だったので、つい目新しい発言に見えたんだけれども、鄭大均という人はもうずっと同じことを言い続けて…

「自殺ボックス」化社会

ひさびさに芯を貫く鋭さに出会ったので引用。 あらかじめ、念のため付け加えておくが、これは引用記事への補足のようなものであり、非難でも批判でもない。 [間歇日記]世界Aの始末書: 硫化水素自殺対策に関する控えめな提案 http://ray-fuyuki.air-nifty.…

「外国人」が映し出す日本人の血族信仰

中央公論新社 ※念のためバックナンバーリンク 『m9』もとうに店頭から取り次ぎに返却され、今頃は裁断処分されているだろうことを思いながら、「それなりにおもしろい記事もある」というオレ的定位置を占めている『中央公論2008年6月号』を立ち読みしていた…

文字=コミュニケーションの擬似的同時性を形成するもの

「コミュニケーションの擬似的な同時性を形成する」 それが文字=テキストメディアの本来的な性質であって、どのようなツールが生まれたからどうだこうだという話ではない。 ブログには書き込み日の、掲示板には書き込み日時のそれぞれスタンプが付属するが…

「価値中立性」への不信と「信念」のありか

「ま、いいんじゃない(大意)」とは言われたものの、なにかその態度がポストモダン的判断保留にしか見えない。 そして、ポストモダン的態度というのは常にある種の無自覚さに支えられている。あるいは、意図的な欺瞞に。その「無色透明」な姿勢は「自分が今…

「まつろわせるもの」の隠蔽【書評】『思想地図 vol.1』川瀬貴也「まつろわぬもの」としての宗教【広告】

キーワードは「世俗化」である。 論者の言葉によれば、「世俗化とは宗教をノイズとして処理することが冒涜的ではなくなる過程」ということになる。その上で、論者が前提として掲げる歴史をさらにさかのぼってみれば、宗教とは、政治であり哲学であり科学であ…

混乱の二重奏【書評】『アーティスト症候群』【広告】その2

そして、その「問い」への回避が生み出した本書が抱えるもう一つの困難は、今言ったアート問題とそれとは別の「アート」問題が混雑したまま展開された内容にある。 すなわち、「アートというジャンルにまつわる問題」と、「消費される「アート」という現象に…